おひるに済ませました。ウチ蕎麦で。
『幻の女』と『異邦人』の・・・
小説の書き出しで心に残るクダリ、誰しも あることでしょう♬ 作家の方々もソコに(も)とりわけ精魂傾けているだろうと思います。
訳者の「ウデの見せ所」が加わる翻訳物で、私が二つだけ挙げるなら
アイリッシュ『幻の女』の「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」
と
カミュ『異邦人』の「きょう、ママンが死んだ。」
です。
『異邦人』と言えば
主人公が行なったある事の理由、「太陽が眩しすぎたから」。
ところが、訳者が代わったのか新潮文庫平成26年改版ではあんまり含蓄が感じられない「太陽のせい」に変わっていました。たぶん新訳の方が原文に忠実なのだろうとは思います(フランス語ワカリマセン)。何かと語り継がれている「太陽が〜」は (原文が)名文と言うより「名訳」と言うべき⁇?
井上荒野『ママがやった』
その日、ママがやった。表紙英文のことを。(「やられた」72歳の「彼」と 7歳年上のママとの)娘二人が 正しくない事後策を決める。息子も含めた家族5人それぞれの「その日」までを描く連作短編集。その「策」は あるいは「正しい」のかもしれない、、、
先月の日経新聞書評ページで著者の新刊『綴られる愛人』がイチオシされていましたが、図書館で予約待ち多数だったので^^;そのコラムのマクラで褒められていた本作を借りた次第(コレとて今年刊行なのに予約待ち無し)。
熟練小説家、まさにプロの芸(モチロンいい意味で)。お薦めします。
ミック・ジャガーが♪
鳥取と島根の位置カンケイ
スミマセン 。長らく どうしても島根の方が右(兵庫県側)にある気がしてました。
生れも育ちも勤務先も関東だけだったからでしょうか? なんて一般化しちゃいけませんね。極度の方向オンチなのは確かですけど。
数年前の法事で、陸路で行ってやっと理解が定着しました。
そう言えば中学の期末テストで「取鳥県」と書いてXくらったヒトがいたっけなあ。
(写真はきのう日経のテレビ欄)
小倉孝保『空から降ってきた男』
悪いクセ⁇
本のタイトルを読み間違えているコトがままあります。
ハローワークと思い込んでいたがために ゼンゼン読む気がしなかった(のがどうしてなのかはワカリマセン)、村上龍『55歳からのハローライフ』
村上つながりで 村上春樹『1973年のピンボール』
ビーンボール? プロ野球1973年シーズンの危険投球のハナシ? 「万延元年のフットボール」 みたいなもの?(どんなモノ?)
どちらも読んでみたら、「誤解」が解けたのはモチロンのこと、印象深い作でした♬
山崎朋子『サンダカン八番娼館』
1972年刊。「豊子」に非ず(念の為)。
ボルネオのサンダカンに日本人娼館が九番館まであった。
明治後期から昭和初期までの
からゆきさん(= https://ja.m.wikipedia.org/wiki/からゆきさん )たちの
凄絶な では形容が軽すぎるほどの人生。
そうであった一人(そうであっただけに)サキさんが
アンフェアとも言えそうな取材方法を詫びる筆者に
心のこもった(これまた形容が軽すぎる)言葉を、、、
サキさんの言葉を読んでいて涙が止まらなくなった(感動して)。長らく読みたいと思っていましたが、そのように涙腺に作用する本とは思ってなかった。
少々古い一冊ですが
いわゆる従軍慰安婦 にもつながる
史実を知るためにもオススメします。