横須賀「カスヤの森現代美術館」の。
強からず弱からずの風が吹いてサワサワと♪
>誤って発表済の主演女優賞のエマ・ストーン『ラ・ラ・ランド』の封筒が渡されてしまい、それを読み上げてしまった。
エマストーンは複雑な心理を表情で表現する演技がとっても素敵だったのですが
言い間違い↑が発覚したとき、ニュースでチラッと映った彼女は映画さながらの複雑な表情に見えました。
こないな↓コトは私ごときが言わずとも識者たちがたっぷり論じてくれるでしょうが
(日本未公開の)作品賞作は、黒人少年の成長と葛藤を描いているとのこと。一方『ラ・ラ・ランド』は 白人至上的世界観などではモチロンないけど「白人の世界」が描かれていると解釈できなくもないかなあ。選考結果は、トランプ大統領に批判的であろうハリウッドのメッセージでもあるかも⁇
「セッション」監督最新作にして、前評判最高級の「ラ・ラ・ランド」を観ました。やはり、「セッション」との二部作とも位置づけられると思いました。
両作に共通するテーマは「芸術と現実(をめぐる葛藤)」。それを前作は「暗」テイストで、今作は「明」テイストで描きます。
とりわけ 両作共ラストの表情が効いていました。「ラ・ラ・ランド」のピアニストと女優は芸術希求度のようなものに 充実感9割諦観1割のテイ(まさに好演!)。「セッション」の音楽院(元)教授と(元)教え子は・・・両作主役級4人の中で唯一 いわゆる何者でもなく 「現実との折り合い」もまるで付いていない教え子が(教授に追い詰められての)演奏をやり遂げて100%充実感。その演奏を聴いた、狂的なほど芸術至上主義だが実は邪念も混じっていた教授の顔にも混じりけない充実感が。
↑こないなリクツっぽい調では 「ラ・ラ・ランド」を言い表してないようには思います。楽しめる映画、であることは間違いないだろうと。だけど私は、時が経つのを忘れるぐらいのめり込めた ほどではありませんでした。
と言うか
結局ほとんど「セッション」について書いてしまいました^^; それほどに前作は私がこれまで観た中で最高ランクの一つだったので。今作は正直、それほどではありませんでした。
それもこれも私が ミュージカルにあんまり馴染みがないせいかなあ。
前作の狂的鬼教授役俳優が本作でもチョイ役的に出ていました。鬼教授の表情で鬼とは真逆のコトを言う(と私には思えた)シーン、つい笑っちゃいました 心の中で。
そして、前作を彷彿とさせるカットもいくつかありました。
村上春樹さんの「騎士団長殺し」発売前に重版 : カルチャー : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
何年か前に読んだ 村上春樹『1Q84』。本筋にも本質にも全然関係ありませんが
「BOOK3」58ページの、(たとえば『食べたいものを食べたいだけ食べて痩せる』なるタイトルの本なら)「中身がまったくの白紙でも売れるかもしれない」という一文に思わず笑いました。 彼自身にまつわる状況を(予言的に)ネタにしたかのような(「村上春樹の本なら~」)秀逸なブラックユーモアになっていて。
『1Q84』、とてつもない小説でした。「表と裏」がキー概念の一つになっていましたが、本作自体がオーウェル『1984』と表裏の関係になっているとも思われ。
文通仲介サービス「綴り人の会」。便箋に手書き、が決まりである。
入会した「凛子28歳」と「クモオ35歳」が文通を始める。二人とも名前年齢を含めてほぼ100%ウソを書いたが、そこに込めた思いはほぼ100%真情だった。小さな「ほぼ」から大きな「裂け目」が・・・
2016年発行。
おもしろかった!
最近読んだ本(あらゆるジャンルを通して)の中で最高の読み応えでした。
南アフリカで私財を投じて野生動物保護区を運営する著者ローレンスアンソニーはバランス感覚が秀でた人物。動物さんカワイイカワイイの愛玩系とも 捕鯨船体当たり的過激派とも真逆です。保護区内外での様々な出来事が綴られ、それは葛藤と試行錯誤の連続でもありました。
表紙写真は群れのリーダーとその子。保護区に運ばれてきたとき獰猛化していた群れがこのように穏やかな様子になったのは著者が月日を費やして「心を通わせた」ゆえです。
著者は「心を〜」が野生動物にとって「正しい」とは決して考えていません。しかし、5トンクラスが体当たりすればどんなモノもひとたまりも無いゾウが獰猛化すれば危険きわまりない(主に人間にとって。そしてこの群れを獰猛化させた原因も人間)ので殺処分が不可避となります。
いくつもある本書ヤマ場の最大が終盤、著者は群れの一頭を・・・「決断」して「実行」します。しかし、その「決断」は間違っていました。
他の動物たち、サイ、スイギュウ、サル、ヒョウ、レイヨウ(鹿)、ワニ、ヘビ、、、の行動も活き活きと描かれています。
400ページ余にわたるアレコレはもちろん「著者から見た事実」です。動物学の定説からは?もあるかもしれませんし、保護区周囲で暮らす先住民との共存共栄も目指すという著者の取組みの妥当性ウンヌンもあることでしょう。どう読み どう受け取るかは、それこそバランス感覚だと思います。
築地書館、2014年発行(原著は2009年)。著者は2012年に心臓発作で死去した由。
絶賛しましたけど、私が動物大好き!なのを割り引いてくださいね^^;
このアンケート↑の精度はおくとして
とっても興味深い結果、とワタシは思いました。
複数回答で鮭が70%弱と圧倒的。続いて たらこ、ツナマヨ、いくら の順に40%以上、、、
このベストテンの中ではワタシ的には昆布とおかかがツートップ。
コンビニで複数買うときは赤飯のを欠かしません。そう言えば
むかし親族の葬儀の準備を皆でしていてお昼の時間を過ぎたとき「じゃあコンビニでおにぎりをたくさん買ってくるよ」と いつもの通り欠かさず・・・激しく呆れられました。
思い出おにぎりと言えば
大学新入生のときサークル総出で 一日がかりの作業をした日、先輩女子が おかか+チーズ入りを差し入れ。そないな具の組み合わせは初めて!、美味しかったあ。入部したてでほとんど役に立たなかったくせに(というわけでヒマだったので)大ぶりのを4個も5個も食べまくってしまいました。
おにぎりの話って尽きませんね。
おにぎり差し入れは当然女子?!は また別の話↓
凄絶な生い立ちをバックボーンにした短歌が注目されている女性歌人「神社で願い事が書かれた絵馬を見るのが好きなんです。みんなの願いが叶ったらいいなあって。」「神様も、言葉も、信じているんだなあって。」
動物園
キリンの救命に粉骨砕身する男性飼育員「動物園暮らしが動物にとって窮屈であるのは間違いないです。だけど野生よりいいこともあって、例えば動物園のほうが長く生きられる。」
ゾウの男性飼育員「動物たちは望んでここにいるわけではない。だから少しでも幸せに過ごせるようにするのが私たちの責任と思っています。」
著者が 倉本聰氏の富良野塾二期生であることは報じられていますが、そうでなくても本作の舞台が富良野塾であるのは読み始めてスグわかります。「ぼく」が入塾してからの一年間が描かれました。「【先生】」と記された倉本氏に対するアンビバレントな感情が見え隠れしている、かな。
もっとも、私小説であることを「否定」するかのような言い回しが作中にありますが。
私小説(または私小説風)としての私的好みは、オノレそのものを洗いざらいブチまける(内容も書きようも)、例えば西村賢太です。その意味では、本作はあんまり、、、でした。
作中、「北の国から」の純 口調の独白がありました。著者の秀逸なウイットと思います(たぶん)♪
『新潮』2016年7月号