ミヤシンの映画と読書とスポーツ+馬鹿話

子供の時からミヤシンと呼ばれている男です。本や映画やスポーツやニュース等の感想を短く書きます。2016年1月に始めました(2020年4月にブログタイトルを変更しました)。

見たの初めて!

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クジャクの羽開き、初めてナマで見ました。

どうせ今日もダメだろうとまるで期待していなかったのですが

突如「ガア゛」とひと鳴きしながら全開♬ @相模原麻溝公園「ふれあい動物広場」

 

クジャクって鳴くのですね。存外 およそ美しい声ではなかったけど。

 

 

 

何ごとも「ウラ側」は見ないほうがいいようで、、、 

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主語は「わたしたち」

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ジュリー・オオツカ『屋根裏の仏さま』。2016年発行(原著は2011年)。

米国に移民した男性の元へ「見合い写真」だけを頼りに日本から嫁いで行った20世紀初頭から 1941年12月「真珠湾攻撃」後までの、「わたしたち」の苦難の日々が綴られた中編小説です。
真珠湾攻撃」とまで書けば ラストは「日系人強制収容」と書いてもいわゆるネタバレにはなりますまい。そもそも本作はネタバレ云々とは次元が異なる作品と言えます。
一人一人は個性を持った別個の人間であるのを示す出来事を数多並べながら、あたかも無個性の「塊」かのように「日系人」女性として歴史に政治に社会にそして戦争に翻弄されたことを表すのに、全編を通しての主語「わたしたち」が効いています。

彼女たちが何に直面し、何を思ったかは、実際の体験談に基づいている とのこと(巻末「謝辞」「訳者あとがき」)。

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映画「終の信託」(周防正行監督 2012年公開)


現実の事件に材を取り、重症喘息患者の尊厳死安楽死をめぐるストーリーです。
実はワタシ成人してから喘息で少々苦しんだ時期があり
日頃はしていることを意識すらするハズもない呼吸を
一生懸命しなければならないほどの体験を何度も。
ワタシは軽度だったとは言え多少なりとも身につまされた、も含めて
とても見応えがありました。
患者役はサスガの役所広司
大沢たかおが、とてつもなく頭がよくてかつそれを自覚し(すぎ)ている検事を印象深い好演。
担当医の草刈民代も熱演でしたが、、、正直もっともっと上手く演じる女優はいるだろうなあと。

彼女のようなヒトに測られたら脈拍や血圧上がっちゃうだろうなあ(^^;)。調整係数みたいなモノあるのかしら???

アカデミー賞作品賞「ムーンライト」

観た。想像力と考察力が求められる作品だった。およそ映画というものは大抵 そうであろうが、とりわけ!

アフリカ系アメリカ人が主人公。前半が幼年期、中盤が少年期、後半が青年期。
タイトルたる「ムーンライト」が所々でキーになっている。前半ではセリフとして、中盤ではシーンの「背景」として、後半では「映像」(月そのものの映像に非ず)として。

観た同士で語り合いたくなる作品でもあった。あとからジワジワくるよ。

ワンコ本 私的No. 1

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著者の飼い犬をめぐるエッセイ『犬心』(文藝春秋社、2013年)。
主役はシェパード犬のタケ、準主役が著者およびパピヨン犬のニコとルイ、脇役が著者の家族とその他動物たち。

犬と暮らす素晴らしさと大変さが機微に至るまで描かれている。現代詩の世界で知られる詩人ならではの、素敵な観察眼と表現力で。あ、(私が彼女の詩を読んでチンプンカンプンな)メタファーとかは無し(しいて言えば表紙イラストのタケ・・・シェパードには見えないよね^^;)。読みながらクスッとしたりホロリとさせられたり。
犬を飼っていたり飼ったことがある方にはとりわけ!と思う(私も含めて)。一つだけ引用すると・・・著者が1か月の旅から帰りドアを開けると「『おかあさんのいない間、ずっとこのドアの前で待ってましたよ』という風情のニコ」。ね、それってあるある!でしょう!?

並行して書き込まれているのが、米国に住む著者の 究極の遠距離介護。それができ得たのは(それがギリギリ可能な父親の健康状態だったことも確かだが)父親と「同居」するルイの「おかげ」だった。

いたずらに擬人化することなく犬を犬として真摯に生き物に向き合う著者のスタンスに感服!!

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伊藤比呂美『ラニーニャ』

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著者は現代詩の世界で知られる詩人。本書では、1998年から2001年までに発表された小説3編が収められています。

表紙は、メキシコとの国境付近にあるアメリカ 道路標識のイメージ。ネットでちょいと調べてみたら 似た実物は確かにあるようだ(今現在もあるかは分からなかった)。
道路に飛び出して来る不法移民に注意するように!との標識で、収録作『スリー・りろ・ジャパニーズ』(「りろ」=リトル)に出てくる。西洋人から非西洋人は標識のイラスト「のように」見え、3人の日本人(=非西洋人)が「そう」見えた、がこの作のキーになっている。
「トランプ現象」の昨今、計らずもいみじくもタイムリーな作になり得ているとも思った。

前世紀末に米国に合法移民した著者は「(911)以前と以降とでは、アメリカは本当に変わりました。その変化は不可逆的で、以前あった大らかさや夢は(そんなもの、ほんとうはなかったかもしれないけど)、もうない」と2016年4月付の「あとがき」で書く。
すなわち、新大統領が「変えた」わけではない ということか。

・・・と書くといわゆる社会派作品に思われるかもしれませんが、さにあらず 気象用語たるタイトルの表題作他1編は私小説、『スリー〜』は私小説風 の趣です。

有吉佐和子『和宮様御留』

長年気になっていて やっと読んだシリーズ^^;
長年期待していた通り 重厚な小説だったが

長年想像していた中身とはゼンゼン違った!?!
幕末期公武合体のために「降嫁」した
皇女和宮の 話ではなく(あらためてタイトルを見ると、和宮は「御留」とちゃんと書いてある^^;)

替え玉をめぐる話 とは思いも寄らず。

1978年発行。

本筋とはまるで関係ないですが
京と江戸の板挟みになった公家(和宮の叔父)の心情と裏腹に秋の虫が美しい音色を奏でるシーンを読んで
近年は激猛暑なのに秋分の日を過ぎると必ず聴こえる、、、江戸時代も いやもっと昔から毎年同じ頃に鳴き始めていたんだなあとフト思いました。

眞並恭介『牛と土 福島、3.11 その後』 ※2015年講談社ノンフィクション賞

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「帰還困難区域」「居住制限区域」の畜産家たち(と牛たち=中表紙↑もその一頭)の2011年311から2014年までを追ったルポルタージュ
苦難 という言葉では軽すぎる日々。

読みながら・・・
「それでも原発推進」の向きがしばしば発する「あの事故で直接死んだ人はいない」を見聞きするたびにいつも私は気持ちがザラザラするのですが(私だけではないでしょう)
たしかに「直接死んだ人はいない」、彼ら畜産家に直接 それを言えるか!とも思いました。

本書の柱、「肉用牛としての価値」を失った牛が生きていく意味と生かしつづける理由を模索する「牛飼い」たちの姿は、実に気高く。「区域内の牛はいずれ屠殺される運命だったのだから殺処分されても同じ」(「あの事故で〜」とどこか似ている気がします) とは真逆の。
その模索は、農地保全として 研究用として、実を結びつつある と。

 

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日経新聞朝刊スポーツ面に

月イチぐらいで載っている、サッカー元日本代表 北澤豪氏のコラムがとっても良い。

他人を真にリスペクトする心をお持ちの人だなあと毎回感じます。

とりわけ今年1月3日付↓

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映画「アメリカン・スナイパー」

「アメリカの正義」が描かれている。肯定的に でなく懐疑的に。
無類のウデを持つスナイパーは
間違っている「テロリスト」をイラク戦争で160人射殺する。だが イラクの地でイラク人を米国人が殺すことは「正しい」のか? 彼の弟を含めて厭戦的な兵士は間違っているのか? なにより「正しい」ことをしたはずの彼に心の闇が生じ、、、

少年時代の父の教えから 感動的?むなしい?ラストシーンまで
観ているうちに何が正で何が邪か分からなくなる のがこの映画のとてつもないキモと思う。

 

「ラ・ラ・ランド」 作品賞は逃す

 

headlines.yahoo.co.jp

>誤って発表済の主演女優賞エマ・ストーンラ・ラ・ランド』の封筒が渡されてしまい、それを読み上げてしまった。

エマストーンは複雑な心理を表情で表現する演技がとっても素敵だったのですが
言い間違い↑が発覚したとき、ニュースでチラッと映った彼女は映画さながらの複雑な表情に見えました。

こないな↓コトは私ごときが言わずとも識者たちがたっぷり論じてくれるでしょうが
(日本未公開の)作品賞作は、黒人少年の成長と葛藤を描いているとのこと。一方『ラ・ラ・ランド』は 白人至上的世界観などではモチロンないけど「白人の世界」が描かれていると解釈できなくもないかなあ。選考結果は、トランプ大統領に批判的であろうハリウッドのメッセージでもあるかも⁇ 

 

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