ミヤシンの映画と読書とスポーツ+馬鹿話

子供の時からミヤシンと呼ばれている男です。本や映画やスポーツやニュース等の感想を短く書きます。2016年1月に始めました(2020年4月にブログタイトルを変更しました)。

藤谷治『茅野家の兄妹』

「どのような形でも構わないから、これを公表してもらいたい」と ぶ厚いノート3冊が旧知の男から小説家の私に送られてきた。男の求め通り「茅原家の兄妹」と題して、文芸誌で連載を始める。小説仕立てにして。
 
没落した資産家兄妹が暮らす山奥の広大な別荘に、兄とは大学同級生で13年前の卒業後は連絡を取ることもなかった「私」が招かれる。
数日間の滞在中に見聞きさせられる、数々の常軌を逸した出来事。しかし、それらは些細な出来事にすぎなかった(「公表してもらいたい」男の求めも含めて) ことが最終ページで明らかになる。 
 
ミステリーと分類してよいでしょう。
所々に張り巡らされていたであろう伏線が気になって気になって最初から読み返したくなりそうな。
講談社 2015年発行

泉屋クッキー、カーリング

「純欧風」ってキャッチフレーズいいね! 老舗だけに「時代」を感じさせて。
ほどよい甘さがまた良し。むかし(おおむかし)食べたときは すんごく甘〜く感じた憶えがあるけど。美味しくてもっと糖度が高い菓子や果物が世の中にすごく増えたせいかなあ。
そだね〜 でしょう?!
 
というわけで
カーリングそだね〜ジャパン、
選手団が帰国した月曜夜には二つほどのテレビに出ていた。
テレビ局にとって もってこいのキャラだろうと思う。ルックスもだけど 何と言っても時間の尺の中で話がとっても上手い。
考えてみれば、一試合10エンド計80投で作戦話し合い時間は38分だけ。短く要点を伝える力、必須だよね。そだね〜。
その中で 鈴木夕湖選手、
いい味出してるなあ。ひょうきん者と言うか天然と言うか、4人の間ではいじられキャラかも。全競技のメダリストが勢揃いした会見でも一人一人話す中で鈴木選手「長い間の応援ありがとうございました、、、あっ 1か月間、短い間か?!? アハハハあ♬」。オリンピック期間が長いか短いか分からなくなっちゃった? カー娘たち大笑い。他のメダリストたちには特に受けてなかったようだけど。
 
 

今年初泣きした本

ソマリランドからアメリカを超える 辺境の学校で爆発する才能』 ジョナサン・スター著 黒住奈央子・御舩由美子訳 角川書店 2017年 

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オーナー兼校長である著者が、アフリカ東部ソマリランドで学校設立に着手した2008年から数多のトラブルを乗り越え卒業生の過半が米国等国外の大学に進学するようになったまでを綴った手記。

逆境という言葉では軽すぎるほどの状況にめげず前を向いて勉学に励む生徒たちに、生徒たちと著者との絆に、米国で寄付を募る席で心を打つスピーチをするまでに成長した生徒の姿に、何度もジーンときた。そんな生徒たちの中でもとりわけの頑張り屋ムバリクがMITに合格したくだりではとうとう決壊。

訳者の技量に負うところ大なのであろう、スイスイ読み進められた。小さめの字 狭めの行間で単行本サイズ300ページ余だが、この土日にオリンピックTV観戦と交互読みで読了。特お薦めの一冊です。

いわゆる途上国と教育 に関する本と映画↓

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ソマリについて↓

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横浜かをり のレーズンサンド

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前世紀、横浜に転勤した20代後半で初めて食して これまたホントに美味い!と思った。「を」ってところが老舗らしいよね。2階のフレンチレストランはとっくに無くなっているらしいけど。

馬車道十番館のケーキ、とんかつ勝烈庵、太田なわのれんのすき焼き、泉平のおいなりさん、洋食 ホフブロウ、、、ヨコハマには美味かつ いい感じの老舗がいっぱいあったなあ。モチロン中華街も!

 

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老舗お菓子つながり↓

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映画「大いなる沈黙へ」

アルプス山脈に建つカソリックの男子修道院。厳格な戒律で知られる。その一年間を「そのまま」撮ったドキュメンタリー。照明なし・音楽なし・ナレーションなしの条件で映画化が許可された(と文字説明が入った)。

祈り中心の(と言うより祈るための)質素で規則的な毎日。修道士たちがここで一生を送るのは、字幕として何度も出た「神よ あなたが私を誘惑した」ゆえだろうか。それは異性や仕事に「誘惑」(騙しとしての誘惑に非ず)されて没入するのと似て非なるものか、似ずして別物か。没入しきるほどの「魅力」と捉えるとしたら、まさに似たもののようにも感じた。俗世のあれこれとはそもそもが異なるのは言うまでもないが。

時おり修道士たちの顔アップが挟まる。いたずら小僧がそのまま大人になったような顔、どこにでもいそうな好々爺みたいな顔。皆、見るからに聖職者 みたいな趣ではなかった。日曜日に数時間だけ修道院の外に出て散歩が許される。一週間でそのときだけ言葉を交わすことが認められ、ジョークを飛ばし合ったり。無邪気に雪遊びをしたりも。   

意外にも、とりたてて禁欲的とは感じられなかった(もちろん禁欲に他ならないが)。祈りそのものだけでなく修道院生活全体が信仰の実践であり、かつそのことを意識さえしない境地にも達していて、ことさら自らに禁欲を課しているわけではないからだと思う。

静かで穏やかな暮らし。2時間49分。眠くなるが、だんだん「馴染んで」きて単調でゆったりした時間を見続けるのが心地よくもなってきた。複雑で慌ただしい日々よりも「あるべき」だからか(たまに旅行で山に行くと二日もすれば退屈するくせに何をか言わんやだが)。   

「人間が他の動物と最も異なるのは信仰心」と何かに書いてあったのを思い出した。その伝でいくと我々多くの日本人はどうであろうか。「日本の常識は世界の非常識」の一つと言えるかもしれない。異性や仕事に似ている なぞと言う私こそ「多くの日本人」の最たるものだろうか。

日本公開2014年

本作の公式サイト↓

映画『大いなる沈黙へ』オフィシャルサイト

 

キリスト教カソリック)に関して 近年観た2作↓

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ラグビーと麻雀

sunwolves.or.jp

スーパーラグビー2018開幕! 

ふと思ったのですが
ラグビーと麻雀の楽しさは似ている。必然と偶然の絶妙のバランスみたいなのが。
ラグビーは(あらゆるスポーツがそうであるように)理詰めのスポーツですが、楕円球がどこに転がるかは ?
麻雀も頭を使いますが、どの牌を引くかは ?
ボールの転がり方や 引いた牌への対応力がキーになるところも
流れが良い時には、うまく転がったり よい牌を引いたりのところも
似ている、、、と。

そして来年はいよいよラグビーワールドカップ日本大会!!

世の中にこんな美味いモノがあるとは!

と思ったのは
・子どものとき初めて食べたヨックモック
・初めて出た友だちの結婚披露宴で初めて食べてその後は食べたことがない海老のコキール
・横浜に転勤して初めて食べた崎陽軒シウマイ弁当
・高校友人たちと定例の新年会でアラサーのとき初めて行ったカニ道楽
ですが
やっぱりそうゆうのは若いころかな。

カニ道楽には同じメンツでアラフィフのときにも行きましたが、美味いには違いないけど大感激するほどではなかった。
ワタシ食通でもグルメでも何でもありませんが、半世紀以上生きてきてやっぱり口がおごっちゃってるのかしらん^^;

あ、もう一つ 大学新入生のとき 先輩女子のおにぎり↓ 

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西村賢太私小説 新刊

今年1月 講談社から発行された短編集『夜更けの川に落葉は流れて』です。
西村作品のタイトルは、表題作のように内容とミスマッチな文学的趣深いのと 収録作「青痰麺」のように内容通り嫌悪感を覚えさせるのがありますが
いずれにしても 主人公・北町貫多(≒西村賢太)これでもかこれでもかの品性卑しさに変わりありません。これまたミスマッチ的な ユーモアらしきモノもいつも通り。本作の3編は貫多(≒賢太)、主に20代のときです。

「品性卑し」と書きました↑が
しかしながら、はたしてホントにそうか?↓

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もし二人が「交錯」していたら罵詈雑言を浴びせ倒し合っていたであろう、ある意味 西村賢太以上(以下と言うべきか)に毀誉褒貶が激しい私小説家だった夫・車谷長吉を詩人・高橋順子が回想↓

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萩原恭次郎『死刑宣告』

 

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萩原恭次郎(1899-1938)は
高名な詩人 萩原朔太郎と同時代同郷の詩人。
1925(大正14)に上梓された詩集『死刑宣告』の復刻版です。
 
このデザイン! このレイアウト!(というカタカナ言葉では薄っぺらく感じられるほどの!!) 70年代アングラ的な(ベタ)センス などとは言うなかれ。1920年代ですぞ。
もちろん詩そのものも! 心地よい適温に非ず。熱湯(または氷風呂)なるも
ご興味ある方は地域の図書館にたいてい在るかと。
 
大正期の文学史的(文化史的)位置づけ、その中での本書の位置づけ を学びながら も一興かも。
政治的スタンスの変遷も要注目とのことですが、それはまた別の話として。

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オリジナル版も以前に早稲田大学図書館で手に取りました。
 

白+茶のパンダが実在

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ガチャポンのおかげで初めて知った。ホワイトライオン(『ジャングル大帝』!)と同種の原理?かな?

 

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去年これまた初めて知った、パンダのXXは↓

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そりゃそうだ

 

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日本チームも大活躍中のカーリング

さいきん知ったのですが エンドごとに逆向きに投げてるのですね。ボーリングみたいに一方向に投げているのかとなんとなく思っていました。

あるエンドで画面↑奥から投げたなら そのストーンがたまっている画面↑手前から次のエンドでは投げる、という具合。

たしかに ちょっと考えれば、16個もの重そう!なストーンをわざわざエッチラオッチラ運ぶハズないよね。

会場で見てれば2エンド目にスグ分かるわけだけど、テレビだとエンド間にはVTRを流したりCMが入ったり、、、やっぱりテレビで「見る」のは何かとキケン⁇

 

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中村文則『銃』

偶然にも拳銃を拾った青年の心象を深く鋭く掘り下げていく小説です。
とてつもない異物に直面した人間を描くのは文学の(いや芸術全般の)定石の一つではありましょうが、本作は高いレベルでそれに成功しているように思いました。
新潮文庫 2006年発行。

そう言えば、お笑い「ピース」の又吉が本作をオススメしていました。

又吉と言えば↓

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やっぱり脳が!?②

数年前の同窓会でン十年ぶりに再会した友がミュージシャンとしてロックバンドで活躍しているのを知って以来、世の中にライブハウスがけっこうたくさんあるのに気づいた。それまでは同じ道を通ってもゼンゼン目に入らなかったのに。

親が要介護になって以来、世の中に介護施設が(以下同文)。

やっぱり脳が???

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 そのバンド↓

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上村愛子さん

NHKテレビで平昌オリンピック中継をしている彼女、前大会までスキーモーグルで5大会連続してメダルを期待されながら7位→6位→5位→4位→4位とどうしてもメダルに手が届かなかった。

前大会の競技後、わがフェイスブックにこんなことを書いていました↓

上村愛子選手の試合直後のインタビュー。
20年近くおそらく全力以上を尽くして追い求めたものが結局得られなかった。アスリート的には悔しさを前面に出すのがあるいは「正しい」のかもしれない。
しかし彼女はうつくしい笑顔うつくしい言葉づかいで振り返る。嘘偽りのカケラも感じられない、とはこういうことかとも思う。昨日の東京の銀世界のように冴え冴えとしていた。
喜びを爆発させる 彼女より若いメダリストの姿もまたうつくしく、それとの対比もうつくしかった。

そして今大会
日本選手のメダル獲得に、自分のことのように(自分のこと以上に)嬉しそうな彼女を見ました。