行政書士ミヤシンの800字映画評

映画の感想を原稿用紙1〜2枚分でコンパクトに。ときどき書評。たまに・・・。

「かくれキリシタン」はクリスチャンか

表紙の絵を初めて見て、これが何かを言い当てられる人はまずいないだろう。これは聖画であり、人物は キリストに洗礼を授けたヨハネ。長崎県生月島の「かくれキリシタン」で伝えられてきた。ことほどさように 、「かくれキリシタン」の信仰はキリスト教とは…

重い言葉

気鋭のルポライター石井光太の最新刊2冊を読みました。『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層』は2017年12月発行、『原爆 広島を復興させた人びと』は2018年7月発行。 直面したからこその、重い言葉。年上の少年たちにカッターで43回も刺されて殺害さ…

三田一郎『科学者はなぜ神を信じるのか』

講談社ブルーバックス、2018年刊。 ニュートン・アインシュタイン・ホーキングら大科学者たちが「神を信じ」ていた というのはほとんどが著者の推測です。もちろん、そう推測した根拠はキチンと示されていますが。 1944年生まれの著者は高名な物理学者にして…

「父と息子」という観点から

父と息子の確執は誰であれ多少の差はあれ古今東西変わらぬモノ。 孝明→明治→大正→昭和→今上→ 私なぞとはモチロン何から何まで共通しませんが、「父と息子」たることそのものだけは同じです。そしてたぶん、父に対するアンビバレントも。 本や報道をそういう…

村上春樹、ノーベル賞代わり文学賞候補を辞退

www.nikkei.com miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com miyashin…

『明治天皇』

公式記録『明治天皇紀』を軸に膨大な文献に基づく、大部の作。2001年刊行。 生まれた時から天皇たる(天皇になる→天皇である)人生。それは他の誰も絶対に経験できない。明治という時代ー封建体制からいわゆる近代化へ大激変ーに天皇であった その人生、、、…

校歌がとても文学的と思ったら

今回の甲子園大会に出場した創志学園高校(岡山県代表)の校歌、小川洋子の作詞なのですね。校歌の作詞作曲は「えっ、あの人が!?」ということもたまにありますが、彼女ほどのビッグネーム 珍しいかも。あ、彼女、岡山県出身ですね。 校歌の歌詞↓ www.soshi…

「順愛エッセイ」に講談社エッセイ賞

www.okinawatimes.co.jp エッセイ賞を受賞した、高橋順子『夫・車谷長吉』の感想文です↓ miyashinkun.hatenablog.com

芥川賞発表

headlines.yahoo.co.jp 高橋弘希氏 1度目のノミネート作↓ miyashinkun.hatenablog.com

ブレイディみかこ著『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』

「ふぞろいのカボチャたち」「天使を憐れむ歌」「あのブランコを押すのはあなた」「たどり着いたらいつもどしゃ降り」本書に収められている40ほどの文章各々に付された見出しのうちの4つです。それぞれ、TVドラマ、ブリティッシュロック、歌謡曲、Jポップの…

『100万回生きたねこ』と河合隼雄

『猫だましい』。2000年刊行作の文庫化です。 著者は、心理分析で広く知られる故河合隼雄氏。多面性を持つ生き物である(と氏はみる)猫が登場する古今東西たくさんの物語を手がかりにして、人間心理について考察します。といっても学術論文などではなく、…

『蜘蛛の糸』の著者を漢字で書け

という問題が 中一国語の期末試験で出たとき「芥」の字が分からず 先生が見間違えて◯を付けるのを期待して(セコいチュウ坊)、茶川龍之介と書いたものです。モチロンXでした。 (「龍」は書けた。龍虎という力士がいたので。私は小学校低学年から相撲オタ…

山崎朋子『サンダカンまで わたしの生きた道』

昭和7年(1932年)生れの著者が『サンダカン八番娼館』を出版した昭和40年代までの自伝です。朝日新聞社 2001年刊。 読んでいろんなことを考えさせられたが一つあげるなら、昭和20〜30年代の女性の「生きづらさ」。モチロン著者は犯罪被害者(強く憎むべき種…

『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』

1995年11月に行われた対談。 両氏の持ち味が存分に発揮されています。←この言い方は「巨人」たちに向かって軽すぎるけどね。 話題は多岐にわたります。同じ年の1月に大震災、3月に地下鉄サリンが起こったことを意識しながら読むといっそう深い(この災害と事…

阿川弘之『雲の墓標』

1942年に東大を繰り上げ卒業し 海軍予備学生として入隊した著者の体験を踏まえた、日記仕立ての小説。1956年発行。(著者は阿川佐和子さんの父) 京大学徒吉野次郎は昭和18年(1943年)12月10日 広島の海兵団に入った。その当初は「戦局は日本に有利な状況で…

『文盲 アゴタ・クリストフ自伝』

『悪童日記』他の三部作で知られるアゴタ・クリストフの自伝『文盲』。 1935年ハンガリーに生まれ 「わたしは読む。病気のようなものだ。手当たりしだい、目にとまるものは何でも読」んでいた4歳のときから、略歴の そのときどきに彼女がどう思い、何を感じ…

『ベロニカは死ぬことにした』

自殺する時が ようやく!来た。彼女はベロニカ、24歳。ベッドサイド・テーブルから睡眠薬を四包み取り出した。五分後には、包みは全て空になっていた。、、、目を開けた時、死んでいなかった。精神科病院に入院していた。心臓が深刻なダメージを被っていて余…

村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

全作読んでいるハルキ長編の一作。2013年刊。 タイトルの「色彩を持たない多崎つくる」には、「文字通りの意味」と「もう一つの含意」が。 「文字通りの意味」は8ページ目ですぐに明らかになる。(そして彼が関わるのは皆「文字通りの意味」での「色彩を持つ…

村上春樹『東京奇譚集』

目撃された 死んだはずの息子、夜中に動いている机の上の石、高層マンションの階段で夫が「消えた」、、、奇譚仕掛けの5編を収録。 人の心のヒダが深く静かに描かれている。(なお、性表現はほとんどなし。)2005年刊。 とりわけ『品川猿』。 結婚3年目の主…

『23分間の奇跡』

ジェームズ・グラベル著(青島幸男訳)集英社 1983年(原書は81年)原題 The Children´s Story…but not just for childrenまさに23分間ほどで読めますので もしよろしければ読んでみてください。先週アップした オーウェルの『1984年』『動物農場』と共通の…

ジョージ・オーウェル『象を撃つ』

オーウェルのエッセイ『象を撃つ』を読みました。(『アンソロジー人間の情景8 動物との日々』文春文庫 に収録。) 彼がビルマの植民地警察に勤務していたとき 象と「対峙」したある体験が綴られています。付されている、「彼自身の階級とそのモラル に対す…

ジョージ・オーウェル『動物農場』

『1984年』と共に、著者が全体主義の恐ろしさを描いた小説。本作では、風刺が前面に押し出されています。 このちくま文庫版には開高健の論考が収められていますが、1984年に書かれたこの文章で、『1984年』の「予言が外れたことを我々は喜びたいのだけれども…

『死後離婚』

「死後離婚」なる法的制度は無いことにまずご注意ください。夫または妻の死後に あたかも離婚するような「方法」があるということです(法的制度たる離婚とは様々な点で異なる)。リードに列記されたような悩みの「解決策」候補として。新書サイズ、大きめの…

與那覇 潤『中国化する日本』

2011年 文藝春秋発行。なかなかエキサイティングな1冊。タイトルから想像されるようなことは書いてありません。すなわち、親中媚中または反中嫌中どちらのタグイでもなく。「グローバル化」の特徴のいくつもがお隣の中国では千年前の宋期に「実現」、つまり…

名文ミステリー⁈谷崎潤一郎

以下、「ミステリー」をひじょうに広い意味で使います。 ミステリーについて私メが語れるとしたら エラリー・クイーンと折原一とスティーヴン・グリーンリーフと「刑事コロンボ」ノベライズを読み倒したコトがある(小学校図書室にあった 子ども向けのホーム…

西村賢太をいっぺん読んでみたい方へ

うってつけかも。セレクトされた6編は 既刊短編集の表題作クラス揃い。 隠れファンが多い?西村私小説の中でも 隠れファンの多い?同棲相手・秋恵登場作もあり。 TVドラマ「相棒」でブレイクした俳優・六角精児の巻末解説もまた良し。 miyashinkun.hatenablo…

ビートたけし『ゴンちゃん、またね。』

(ワタシと同じく)ワンコ党にオススメ。 週刊文春3月29日号です。 ゴンちゃんは柴犬 だけど たけし の絵、柴にはあんまり見えないかなあ⁇ 犬モノ↓↓↓ miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com

天童荒太『悼む人』

その青年は「悼む人」。野宿をしながら全国を回って 誰であれ どんな死に方であれ 「悼む」、、、 2006年から2008年まで『オール讀物』に連載された小説です。 読みながら、 「イスラム国」に殺害された日本人の ジャーナリストの人ともう一人に対するメディ…

『世界がもし100人の村だったら』

2001年 マガジンハウス発行 9.11のあと読み継がれましたね。「すべてのエネルギーのうち 20人が80%を使い 80人が20%を分けあっています」「20人は栄養がじゅうぶんでなく 1人は死にそうなほどです でも15人は太り過ぎです」「17人は、きれいで安全な水を飲…

なぎら健壱『日本フォーク私的大全』

最近はぶらぶら歩き系の番組でよく見かける テレビで微妙な?存在感の なぎら健壱は元々はフォークシンガー(を知ってる私のトシが分かる^^;)。 60年代70年代フォークに魅せられて自らもシンガーソングライターになった なぎら健壱が、その時期のフォークシ…