行政書士ミヤシンの800字映画評

映画の感想を原稿用紙1〜2枚分でコンパクトに。ときどき書評。たまに・・・。

小説「デフ・ヴォイス」シリーズ

丸山正樹氏による小説。『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』は2011年発行の長編(2015年に文庫化)、『龍の耳を君に デフ・ヴォイス新章』は2018年発行で中編+長めの短編+短編を収録、『慟哭は聴こえない デフ・ヴォイス』は2019年発行で短編4作が収めら…

「天安門事件」は再び起きるか? 香港は?

昨年の大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した安田峰俊著『八九六四 「天安門」は再び起きるか』(2018年5月刊行)を読んだ。メインタイトルの「八九六四」は軍が民衆を鎮圧した天安門事件の日付1989年6月4日の意。サブタイトルの「『天安門事件』は〜」は①中…

きょう阿久悠さん命日

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『蜘蛛の糸』の著者を漢字で書け

という問題が 中一国語の期末試験で出たとき「芥」の字が分からず 先生が見間違えて◯を付けるのを期待して(セコいチュウ坊)、茶川龍之介と書いたものです。モチロンXでした。 (「龍」は書けた。龍虎という力士がいたので。私は小学校低学年から相撲オタ…

『世界がもし100人の村だったら』

2001年 マガジンハウス発行 9.11のあと読み継がれましたね。「すべてのエネルギーのうち 20人が80%を使い 80人が20%を分けあっています」「20人は栄養がじゅうぶんでなく 1人は死にそうなほどです でも15人は太り過ぎです」「17人は、きれいで安全な水を飲…

トランプ大統領は究極の不確実性⁇

矢部宏治『知ってはいけない2 日本の主権はこうして失われた』 条約、法律、日米の公開文書、首脳を初めとした日米の政治家や軍人の発言。第二次大戦末期からのそれらを著者は整合的に読み解いて、終戦から現在に至るまで日本の軍事主権≒国家主権は米国に奪…

『天皇メッセージ』

深い闇を体験し、その中でもがき苦しんだものだけが、長い思索ののち、光のような言葉をつむぎ出すことができる。まさにこれまで、そういう人生を歩んでこられた方と矢部宏治氏が本書で評する明仁上皇。 皇太子時代と天皇時代の言の数々はそのときどきに報じ…

この半年間で印象深い3冊

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ホーキング博士「神は存在しない。なぜなら・・・」

『ビッグ・クエスチョン 〈人類の難問〉に答えよう』NHK出版、2019年発行(原著は2018年)。昨年亡くなったホーキング博士、最後の書き下ろしです。 いずれもbigな10の?ですが、もしもbiggestを選ぶとすれば「1 神は存在するのか?」と言うことができるでし…

「ゴミ清掃員、ときどき芸人」

『ゴミ清掃員の日常』原作・構成/滝沢秀一 まんが/滝沢友紀 2019年5月発行 お笑い芸人を始めて今年で21年にしてゴミ清掃員を始めて今年で6年の滝沢秀一。「お笑いという幹より 枝葉のゴミ清掃員の方が太くなり 根を生やした」日常を漫画で描いた。漫画を描…

今朝「なつぞら」の「川村屋のインド人革命家」は

中村屋のボース↓です。 miyashinkun.hatenablog.com

村上春樹の最新エッセイ

村上春樹が彼の父について綴ったエッセイ「猫を棄てるー父親について語るときに僕の語ること」が月刊『文藝春秋』最新号に掲載されています。冒頭で「僕と父の間には」「楽しいこともあれば、それほど愉快ではないこともあった」。愉快ではなかったエピソー…

『オオカミの群れはなぜ真剣に遊ぶのか』

エリ・H・ラディンガー著(シドラ房子訳) 築地書館 2019年発行(原著は2017年)著者は、主に北米で20年間以上 野生オオカミを観察してきたドイツ人女性。原題は「die weisheit der wolfe」(オオカミの知恵)。表紙写真で黒毛皮が灰色毛皮の頭を咥えている…

本は隅々までよむと新たな「発見」が!?

本は隅々まで読むといろんな「発見」があるものです。 ①『らも 中島らもとの35年』 巻末の故らも氏略年譜によると1959年から61年まで在学した小学校で「スカートめくり団を結成」とのこと。60年代後半の永井豪の漫画の「せいで」流行したと私は認識していた…

今朝の「なつぞら」

今朝のNHK朝ドラ「なつぞら」で新宿中村屋がモデルと思しき「新宿川村屋」、昭和30年ごろウエイターがインドふう服装のシーン。やっぱり中村屋とインドつながり↓ miyashinkun.hatenablog.com

365日24時間体制で自殺阻止

www.bokushitogake.com 和歌山県の白浜バプテスト教会牧師 藤䉤庸一氏は、「自殺の名所」とも言われる三段壁に「〜 重大な決断をするまえに 一度是非ご相談ください あなたのお力になります」という看板を立てて、1999年から自殺阻止の活動を続けている。自…

「明治の終焉」と「昭和の終焉」を

いずれ「平成という時代」が終わった感慨を表した小説も。 夏目漱石『こころ』(大正3年刊行)では最終盤に「明治という時代」が終わった主人公の(そして漱石自身の?)感慨(それは深くかつ重い)が語られたが、「今日、昭和が終わった。」の一文で始まり…

「浮世の画家」ドラマ化を見ました

ドラマ少々分かりにくかったような。たしかにイシグロ小説は文体も構成ももってまわったテイストがあるにはある。昨日のドラマはその雰囲気を「忠実」に表現したと言えるのかもしれない。だけど映像のメリットは分かりやすさにもあるとすれば文章より分かり…

話題の『ホモ・デウス』と手塚治虫『火の鳥』

昨年秋に出版(原著は2016年)されて話題の『ホモ・デウス』、上巻を読み終えました。人間を含めてあらゆる生物の肉体は必ず死ぬが、人間だけは魂が生き続けると宗教は説き、進化論をベースに科学はそれを否定する、がキーの一つになっています。 さて、『火…

これぞ私小説!の西村賢太、最新刊

『小説集 羅針盤は壊れても』、2018年12月発行、講談社。新作2編と再録2編が収録されています。新作2編の中に書かれている、彼にとって「狂的な興奮状態を伴う読書体験」だった私小説作家田中英光に対する賛辞「どんなに八方破れの構えでもって、一見荒削り…

史上最強力士

飯嶋和一著『雷電本紀』(1994年発行の文庫化)史上最強力士は江戸時代の雷電 が私ども相撲好きでは「常識」ですが、本作は史実とフィクションを交えた小説仕立ての雷電の伝記です。その時代は1800年前後。素晴らしいのが相撲の取組の描写です。読んでいて手…

狼の群れと暮らした男

本書によると飼育オオカミがなかなか子を作らないのは、飼育下では単一の群れしかいないからである。群れをなす動物であるオオカミ。群れ同士は縄張りを争うライバルなので、繁殖の目的は群れの維持発展なのである。そこで、放し飼いスタイルの自然動物園で…

「バカボンのママはなぜ美人なのか」

「あんな『パパ』に、どうしてあれほど美人で聡明でしかも優しそうな女性が奥さんとなったのか。」と2013年発行の本書序文で著者は書いています。私も、50年ほど前『週刊少年マガジン』で「天才バカボン」を読んでいたときから「バカボンのママはなぜ美人な…

『幻の女』書き出し訳文の変遷

ミステリー小説の古典的名作ウィリアム・アイリッシュ著『幻の女』。あまりにも有名な書き出しの邦訳は3通りあります。①夜はまだ宵の口だった。そして彼も人生の序の口といったところだった。甘美な夜だったが、彼は苦虫を噛みつぶしたような顔をしていた。②…

般若心経を学ぶために

現代詩で知られる伊藤比呂美。彼女の詩はワタシには正直チンプンカンプン気味ですが、小説↓とエッセイ↓はとても面白く読んでおります。 「エッセイ+お経+現代語訳」と銘打たれた『読み解き「般若心経」』(2013年)では、詩人たる彼女ならではと言えるであ…

『カルピスをつくった男 三島海雲』

乳酸菌飲料カルピスの創始者である三島海雲氏(1878-1974)の評伝。山川徹著、小学館、2018年発行。 氏は、1948年から1970年までカルピス食品工業株式会社の社長を務めた(一時期は会長に退く)。そのときの部下たちが口々に語るに「商売は二の次で、おいし…

落合博満『戦士の休息』

打者として三冠王3回、監督としてリーグ優勝4回の著者。⚾️戦士の休息は映画です。少年時代から観てきた数々の作品を題材にした一冊。 ジェームズ・ボンドには「上背のある恰幅のいい男が適している」。「背中を少し丸めて銃を構えた時のシルエットが生える」…

映画監督ヤンヨンヒ著の2作

ノンフィクション『兄 かぞくのくに』(小学館、2012年刊の文庫化)と小説『朝鮮大学校物語』(角川書店、2018年刊)。映画監督である1964年生れの著者ヤンヨンヒは在日二世、父は総連幹部、小学校から朝鮮学校→朝鮮大学校で学ぶ、日常会話は日本語、3人の兄…

ノンフィクション作家 山崎朋子氏 訃報

mainichi.jp ↓代表作『サンダカン八番娼館』 miyashinkun.hatenablog.com ↓2001年に著された自伝 miyashinkun.hatenablog.com

これまた目からウロコもの

本書によると、日本に来たプロテスタント西洋人が奉行所の要求に応じてアッサリ絵踏した、と(裏付け史料がちゃんと示されている)。 聖像に対するプロテスタントのスタンスを思えば、ナルホドたしかに!だけど 考えてみたこともなかった。 miyashinkun.hate…