行政書士ミヤシンの800字映画評

映画の感想を原稿用紙1〜2枚分でコンパクトに。ときどき書評。たまに・・・。

良多さん

是枝監督映画「そして父になる」を土曜日にテレビで再見しました。 主人公の「良多」という名は、同じく是枝作品「海よりもまだ深く」の主人公と同じ なのですね。そう言えば、わが偏愛する西村賢太私小説の主人公はオノレの名をもじって「北町貫多」。「〜…

北條民雄『いのちの初夜』

日経新聞きのうの朝刊 miyashinkun.hatenablog.com

3年前のきょう亡くなった山口淑子氏

女優として国会議員として著名でしたが、今や文字通り「過去の人」でしょうか。1987年発刊の『李香蘭 私の半生』を読んで、私がとりわけ感じ入ったこと↓ 1920年中国生れの日本人 山口淑子は「中国人女優 李香蘭」として、1930年代半ばから終戦の年まで「満州…

プチ 気持ちのズレ

小説のクライマックスでもないのに印象深い場面、みなさまもいくつかあると思います。私はたとえば水村美苗『本格小説』(こう見えて小説のタイトルです)の一場面。高いところの電球の交換。頼む方はゼンゼン気軽、頼まれる方はちょっぴり屈辱的、、、登場…

きょう終戦の日

一冊の本と一本の映画を改めて紹介します。 miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com 隣国では解放記念日であることにもまた眼を向けたいと思います。去年大ヒットした映画にもそんなシーンが↓ miyashinkun.hatenablog.com

「お言葉」一年

↑けさ日経。とても貴重な問題提起と思います。井上亮編集委員はこういう方面に専門性が高いジャーナリストのもよう。 井上氏が手掛けた好著↓ miyashinkun.hatenablog.com

ボルト自伝

今世界陸上がラストラン、ウサイン・ボルトの自伝。2015年発行(原著2013年)。 綴られた等身大の彼は、表紙写真から受ける印象通り・・・快男児! そしてプレッシャーにも苦しんできた。何度も何度も。

「広島」「長崎」風化?!

一昨年の世論調査↓。一昨日の「ニュースウオッチ9」でも触れられていました。 www.nhk.or.jp たとえば↓、もっと読まれてほしい。 miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com

阿久悠が50年間の100曲を

一世を風靡した作詞家が「心にのこる歌、記憶にのこる歌を、幼時からひっぱり出して来て百編のエッセーを書いた」(著者あとがき)。まさに「五十年間の日本と、五十年間の『私』という人間の年史」(著者あとがき)たりえている一冊。1999年発行。 1940年か…

「失敗国家」のありのまま

高野秀行『謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家ブントランドと戦国南部ソマリア』本の雑誌社、2013年発行。2013年講談社ノンフィクション賞。 無政府状態と言われているアフリカ東部の「ソマリア」。 混乱の極みで政府が機能しないという意味での「無政…

『世界がもし100人の村だったら』

2001年 マガジンハウス発行 9.11のあと読み継がれましたね。「すべてのエネルギーのうち 20人が80%を使い 80人が20%を分けあっています」「20人は栄養がじゅうぶんでなく 1人は死にそうなほどです でも15人は太り過ぎです」「17人は、きれいで安全な水を飲…

ハルキ小説と動物モノ

はや今年も半ばを過ぎ、今年これまで読んだ本の中で5冊を選んでみました。 やっぱりサスガ!の村上春樹、 そして動物がテーマをいっぱい読んだなあ。 miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatena…

『劇場』<『火花』

又吉直樹の第二作『劇場』を読みましたが私は断然、第一作『火花』のほうがよかった。 同じロクデナシでも『劇場』の「永田」より『火花』の「神谷」に好感が持て、恋愛も「永田」と「沙希」のそれより「神谷」と「真樹」のそれが素敵に思えました。(「永田…

村上春樹『騎士団長殺し』読み進み中

村上春樹!新作!!だけにメディアでさまざま内容紹介されていますがゼヒ予備知識なしで読んでほしい(ほどの読み応え!!!)と思います。 なので、前後関係はモチロン伏せて 短い文章だけ引用→「彼は穏やかな声で言った。まるで頭の良い大型犬に簡単な動詞…

懐かしい!『泣いた赤鬼』(浜田廣介著)

あらためて青鬼の深慮にジーンとくるね。 先日、色彩の専門家から話を聞く機会があり「この物語の赤鬼は赤でなければ、青鬼は青でなければならなかった」「色イメージとして、赤は情熱、青は冷静だから」と。絵本でなくても(文字だけでも) 「赤」と「青」…

究極のオススメ本!?

ゴッチャゴチャになっていた本棚を整理したら2冊あった本(『こころ』は3冊^^;)

アイリッシュ『幻の女』書き出しの原文は

ミステリーにおける金字塔の一つ、ウィリアム・アイリッシュ著『幻の女』の あまりにも有名な書き出し(稲葉明雄訳)。 「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」 原文と照らし合わせてみようと思い立ってからン十年^^; やっ…

真山仁『そして、星の輝く夜がくる』

3.11をテーマやモチーフにした小説をいくつか読んだ中で(いとうせいこう『想像ラジオ』とともに)印象深い一冊。2014年 講談社。著者を知らしめている(らしい)経済小説ではない。 阪神大震災の被災者でもある教師が3・11被災地の小学校に赴任してのあれこ…

『巨人の星』研究書?

・実のところ一徹はちゃぶ台をひっくりかえしたことはない・オズマ カタカナ言葉の謎・タイガース村山監督はなぜ実物とゼンゼン似ていないのか マジメ路線に「転向」する前の堀井憲一郎氏が『巨人の星』のディープなディテールをスルドク考察。(このマンガ…

珠玉の♪

「珠玉の」という称賛は短編にこそ似合う。珠玉の長編、とはあんまり言わないよね。 熟練の小説家二人による、まさに珠玉の短編集。井上荒野は昨年、小川洋子は今年発行の新刊。どちらも10編を収める。

公開中映画「メッセージ」の原作

表題作が、話題になっている映画の原作です。 地球に訪れた異星人が使う言語は、私たちとはまるっきり体系も次元も異なるモノだった。その意思疎通に取り組む女性研究者。ときおり挟まる、彼女と娘との親子の会話は共通言語にかかわらず(字面上は理解し合っ…

眞並恭介『すべての猫はセラピスト』

病人や障害者や認知症者へのセラピー動物に 「忠実」を特性とする犬が適しているのは不変だが「気まぐれ」な特性を生かした猫も活躍中と。 今年2月刊行。表紙はセラピーキャットのヒメ。 miyashinkun.hatenablog.com

松沢哲郎『想像するちから チンパンジーが教えてくれた人間の心』

おもしろすぎてワクワクしながら200ページ一気に読み切った。しかつめらしい四字熟語を使うなら、知的興奮、を覚えまくった。岩波書店、2011年発行。著者は、チンパンジーのアイとアユムの研究で知られる。 全遺伝情報の98・8%が人間と一致するヒト科チンパン…

大宅壮一メモリアルノンフィクション大賞発表

森健氏の受賞作 、ホントに好著と思います。 www.bunshun.co.jp miyashinkun.hatenablog.com

『マチネの終わりに』

ありがとうございます。「マチネの終わりに」公式アカウントがツイートしてくれていた↓ことに今日気づきました。 Twitter miyashinkun.hatenablog.com

新宿中村屋つながり

『日本最初の盲導犬』と ノンフィクションの大秀作『中村屋のボーズ』(白水社 2005年発行)とに「つながり」が!♪『中村屋の〜』は20世紀前半インド独立運動の主導者R・B・ボーズ(表紙写真)の評伝ですが、彼を日本で匿ったのが 新宿中村屋の初代社長。そ…

日本初の盲導犬

1939年。日本最初の盲導犬は 失明した傷痍軍人に仕えた。と言うより、その時代は傷痍軍人用だけだった。 葉上太郎『日本最初の盲導犬』(文藝春秋、2009年)は、戦中戦後10年ほどの間の盲導犬たちをめぐるノンフィクション。その名は、ボド(表紙写真)、リ…

西村賢太、新作!

『芝公園六角堂跡』。先月発刊、西村賢太の新作短編集です。 氏の本にしては珍しく一か月ほども図書館予約待ち。氏はエッセイで 図書館利用の読者に罵詈雑言を浴びせているにかかわらず、全作読んでいる私は一冊も買っていません。それこそ氏のファンらしい …

主語は「わたしたち」

ジュリー・オオツカ『屋根裏の仏さま』。2016年発行(原著は2011年)。 米国に移民した男性の元へ「見合い写真」だけを頼りに日本から嫁いで行った20世紀初頭から 1941年12月「真珠湾攻撃」後までの、「わたしたち」の苦難の日々が綴られた中編小説です。「…

須田セツ子著『私がしたことは殺人ですか?』

映画「終の信託」が材を取った 川崎協同病院事件。重症喘息患者の死をめぐり「安楽死とは 尊厳死とは」の議論、「美人医ウンヌン」の興味本位な報道、で覚えておられる方も少なからず、と思います。著者は殺人罪の有罪判決を受けた(懲役1年6月 執行猶予3年 …