ミヤシンの映画と読書とスポーツ+馬鹿話

子供の時からミヤシンと呼ばれている男です。本や映画やスポーツやニュース等の感想を短く書きます。2016年1月に始めました(2020年4月にブログタイトルを変更しました)。

『野生のゴリラと再会する 二十六年前のわたしを覚えていたタイタスの物語』

著者は、京大前総長の山極寿一氏。アフリカのゴリラ社会で過ごしながら研究してきました。本書は2012年くもん出版発行。 野生ゴリラのなかで山極氏が取りわけ親しくなったのが♂のタイタス。抱き合わなければ居られない狭い洞で一緒に2時間雨宿りをしたほどタ…

シジュウカラの言葉が分かる研究者 初の著書

シジュウカラの言葉が分かる研究者、鈴木俊貴氏。テレビで時々見かけますね。初めての著書です。 『動物たちは何をしゃべっているのか?』集英社2023年8月発行 ゴリラの研究で知られる山極寿一氏(京大前総長)との対談です。 オススメ!

インドの動物をめぐる藤原新也ブシ!

『ノア動物千夜一夜物語』(新潮社1988年発行) 周知の通り藤原新也氏は20歳代後半から30歳代前半にかけて海外を放浪した。 インドで出会った動物たちを「主役」として30歳代終わりに書かれたのが本作。1983年に雑誌に連載された驢馬、犬、鯉、コブラ、海豚…

聖書の副読本に!『証し 日本のキリスト者』

『絶対音感』等で知られるノンフィクション作家最相葉月氏著(角川書店2022年12月発行) 小さめのフォントで千ページ余りにわたって、30歳代〜90歳代135人ものクリスチャンへのインタビューが収められています。取材期間は2016〜2022年。北海道から沖縄そし…

ジャーナリストと言うよりも・・・

広報パーソンと言ったほうが近いと感じました。

『現代詩ラ・メールがあった頃 1983.7.1ー1993.4.1』

8月31日発刊。著者棚沢永子氏は、詩誌『現代詩ラ・メール』発行元思潮社の編集者として同誌を担当していました。 ページを繰るだけで「癒しのカフェ」に居るような、著者の話題作『東京の森のカフェ』(2017年、改訂版2022年)↓

『安倍晋三回顧録』

亡き元首相に肯定的な人はもっと肯定的になり、否定的な人はもっと否定的になる中身とも言えそう。

池上線の西島三重子さんが

『ふたごパンダのこころコロコロ』2022年4月発行 表紙にその名が! 私ども年代にはとても懐かしい曲「池上線」の西島三重子さん、その後、文筆の仕事もなさっています。 まさに上野動物園で双子🐼🐼が生まれ母🐼と暮らしていたころ発行された絵本です。

読まなければヨカッタ??

いとうせいこう監修『われらの牧野富太郎』2023年3月発行 毎朝楽しみ!NHKドラマ「らんまん」主人公槙野万太郎(牧野富太郎)の人生ハタチすぎのこれまでも波瀾に富んでいましたが、本書を読むと、これからはもっともっと!!(以下略) なので、とっても面白…

手づくり本!

紙を切り、折り、刷毛を使って糊を塗り、貼り合わせ、糸を通す。そんな作業の中で、今綴じているものの尊さがゆびさきから流れ込んでくることがあります。そんなとき、手製本をやっていてよかったと心から思うのです。(制作した「紙とゆびさき」こと利根川…

丸山正樹『デフ・ヴォイス』ドラマ化と映画化決定!

https://www.nhk.jp/g/blog/5ycdbksnx/ https://news.yahoo.co.jp/articles/0ae3f952eb38faf36695d51abaa158c840af6626 原作↓ miyashinkun.hatenablog.com

『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』

三浦英之著 2015年集英社発行 2017年文庫化 開高健ノンフィクション賞受賞 1938年から1945年8月15日まで、かの地に満州建国大学が在った。 大学創設の目的は満州国の国家運営を担う精鋭を育成すること。「五族協和」の旗のもと、日本のほか中国・朝鮮・モン…

故坂本龍一氏の自伝『音楽は自由にする』

初めてピアノを弾いたとき「楽しいという感じはぜんぜんしなかった」幼稚園時代から、北極圏を旅して地球環境への思いを新たにした2008年秋まで、語り尽くしました。2009年刊行。 移り住んだニューヨークで、2001年911に遭遇。そのときを略略次のように回想…

傑作SF『流浪地球』

6篇からなる短編集です。 表題作は・・・ 太陽の内部で水素がヘリウムに変わるスピードが加速していることに、天体物理学者たちが気づいた。計算上、400年後に大爆発を起こす。そのあと赤色巨星になり、その直径は地球の公転軌道より大きくなる。地球はもち…

読み応え最高級のルポ『太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密』

1960年代終わりからから80年代初めにかけてアフリカのコンゴに在った、日本企業が経営する鉱山でのこと。 男性日本人従業員とコンゴ人女性との間に生まれた子たちが置いていかれた。 2010年代、朝日新聞アフリカ特派員の三浦英之は取材を進める。コンゴで、…

大谷の15球

という本が年内には出ると予想。あのWBC決勝9回表、最後の打者トラウトには6球投げました。故山際淳司氏の名著『江夏の21球』の向こうを張って。 miyashinkun.hatenablog.com

スパイ→旅人→市井の生活者 沢木耕太郎著『天路の旅人』

西川一三氏は大日本帝国のスパイであった。1943年10月、中国大陸奥深くへの潜入行を開始する。敗戦により任務が終わっても1950年5月まで歩みを止めなかった。 ルートは本書掲載↓の通り。 文字通り山を越え川を渡り、そして行く先々で異民族たちと時には命が…

全盲ろうの大学教授 福島智氏『ぼくの命は言葉とともにある』

目が不自由な上に耳も不自由な人のことを「盲ろう者」と呼び、その見え方や聞こえ方の程度によって(1)全盲ろう(2)弱視ろう(3)全盲難聴(4)弱視難聴に大別されます(全国盲ろう者協会ホームページ)。 福島智氏は(1)にあたります。 氏を描いた映画「…

ワタシ的今年の二冊 亡きお二人「最後の新刊」

miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com 西村さんにはさらに「最後の最後」が↓ miyashinkun.hatenablog.com

『母親になって後悔してる』

さいきん NHKのニュースや「クローズアップ現代」で紹介された本です。原題『Regretting Motherhood』、オルナ・ドーナト(訳鹿田昌美)、2022年発行(原著は2016年)。著者はイスラエル人女性の社会学者。 「過去に戻れるとしたら、もう一度母になることは…

「人間を進化させたのは火・言葉・美・時間」

『進化を超える進化 サピエンスに人類を超越させた4つの秘密』ガイア・ヴィンス著 野中香方子訳 2022年6月発行(原著は2019年発行) 人類史をめぐる名著ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』(原著1997年)では有史時代の進歩についてページが多く費や…

『晴れたら空に骨まいて』

川内有緒著 講談社文庫2020年発行(ポプラ社2016年刊の文庫化) 人が亡くなった話にもかかわらず(「にもかかわらず」と言うべきか)、とっても「気」のいい一冊でした。お薦めします。 散骨で弔われた人たち(散骨はされていない1人を含む)とその家族の人…

西村賢太といえば藤澤清造『根津権現裏』

現代有数にして特異な私小説家西村賢太氏が作品の中で必ず言及した藤澤清造私小説『根津権現裏』は1922年(大正11年)に日本図書出版株式会社から刊行されました(直後に同社は倒産)。2020年発行のこの角川文庫は、西村氏が入手したその初刊本を底本として…

『中国残留孤児 70年の孤独』

平井美帆著 集英社インターナショナル 2015年発行 何人もの中国残留邦人帰国者に取材したノンフィクション。 その人々は満州(中国東北部)に入植していましたが、終戦数日前のソ連軍侵攻を直接の原因として長らく帰国できませんでした。 現在は「中国残留邦…

『人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」』

現生人類ホモ・サピエンスにネアンデルタール人等絶滅人類のDNAが入っていることが今世紀に入って分かりました。 古人骨DNA解析による研究成果です。 そして私たちホモ・サピエンス内でも、どの人種もどの民族も長い歴史の中で多少の差はあれ DNAが混ざり合…

『当事者は嘘をつく』

著者が性暴力を被った当事者にして哲学研究者という予備知識だけでタイトルを見て、民事裁判で今年7月に確定判決が出た例の件で女性当事者を貶めることを言うような人たちを喜ばせる本かなと思うとしたらまるっきり勘違いです。そもそもそのキーワードを巡っ…

亡き西村賢太 正真正銘のラスト新刊!?

人物はありし日の著者 この2月に急逝した西村賢太氏。5月30日に未完の小説『雨滴は続く』が刊行されましたが、6月25日に書評集『誰もいない文学館』(本の雑誌社)が刊行されました。再刊や文庫化を除く新刊としては氏最後の出版になるかもしれません。 本作…

『ソ連兵に差し出された娘たち』

「ソ連兵に差し出された娘たち」・・・満州に入植していた日本人の娘たちが、戦後に満州を占領したソ連軍の兵士たちからどう扱われたか。ご想像の通りです。 80〜90歳代になった娘たちや他の入植者たち(遺族を含む)の証言を積み上げて事実関係を明らかにし…

仏教界の戦争協力

協力という言葉では軽すぎるほどの前のめりぶりも含めた様々な事実が論及されている。鵜飼秀徳著『仏教の大東亜戦争』文春新書2022年7月発行。 1980〜90年代に各宗派は戦争加担を認めて謝罪したが、反省・悔悟が十分であるとは思えない、と著者は問いかける。…

『土葬の村』

本書で言及されている通り、土葬が法律で禁じられているわけではありません。(東京などの大都市では条例で禁じられています。) とはいえ実際には全国で火葬率99.9パーセント以上。しかしコンマ以下であれ、そして急減し続けているものの、土葬は現存します…