行政書士ミヤシンの800字映画評

映画の感想を原稿用紙1〜2枚分でコンパクトに。ときどき書評。たまに・・・。

動物に「心」はあるか?

フランス・ドウ・ヴァール『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』紀伊国屋書店、2017年(原著は2016年) 著者は、『道徳性の起源 ボノボが教えてくれること』等でも知られる動物行動学者。氏の、現時点(正確には昨年時点)での集大成と言えるだろう一冊…

親世代がいてこそ

父の本棚に並んでいた、ケインズの代表作。昭和26年刷。何度も読み込んだ跡がありました。父に限らず、あの時代の学生の勉強ぶりはハンパなかっただろうなあと想像します。 終戦時は軍隊にいました。10代〜20代 年月の長さは私たち世代と同じでも、、、とも…

30年後の今の時代精神は?

本棚の整理。渡辺和博とタラコプロダクション『金魂巻』。80年代のベストセラー、◯金 ◯ビ が流行語にもなったコレ、どうしようかなあ。 わが修士論文『「戦後民主主義」とは何だったのか』の中で本書のことを こう↓書いていた。 「ビンボーの人」を揶揄する…

高木智子『隔離の記憶 ハンセン病といのちと希望と』

ハンセン病ゆえに強制隔離されてきた人たちを巡るルポルタージュ。著者は朝日新聞記者。2015年発行。読みながら何度も涙が出ました。病気に罹った人たちの気高さばかりでなく、支援や交流を行う人たちのまごころと志に。「いのちの授業」を続けてハンセン病…

福島の牛 映画と本

www.power-i.ne.jp ↑いま公開中のドキュメンタリー映画。この公式サイトを見ると、私が今年読んだ中で印象深いベスト5に入るルポルタージュ↓に出てくる畜産家が何人も出演しています(サイトでは この本について全く触れられていませんが)。観よう! miyash…

従軍慰安婦問題

筑摩書房のPR誌『ちくま』 3年前の今月、2014年11月号に 従軍慰安婦に関する保阪正康氏の論考が載っていました。 「業者が若い女性を騙して連れてきたケースは」「決して少なくなかったことは」「すぐにわかることだ。」 「軍隊と性について語るときに、幾つ…

須田セツ子著『私がしたことは殺人ですか?』

映画「終の信託」が材を取った 川崎協同病院事件。重症喘息患者の死をめぐり「安楽死とは 尊厳死とは」の議論、「美人医ウンヌン」の興味本位な報道、で覚えておられる方も少なからず、と思います。著者は殺人罪の有罪判決を受けた(懲役1年6月 執行猶予3年 …

?!?!

乾くるみは男性桜庭一樹は女性恩田陸は女性有川浩も女性なら萩原もとい荻原浩はひょっとして と思いきやコチラはちゃんと^^;男性それじゃあ中山七里は井上荒野はどっちやねん?、、、男性と女性

恩田陸『ユージニア』

昭和40年代、日本三大庭園の一つがある地方都市で、帝銀事件に似ているが 帝銀事件より死亡者が多い毒殺事件が起こった。10年後20年後に11人が語る真相(あるいは「真相」)とは? 現場に残されたメモの、ユージニアなる言葉の意味は?2006年日本推理作家協…

西村京太郎『十五歳の戦争 陸軍幼年学校「最後の生徒」』

著者の十津川警部シリーズを通勤電車の伴としていたのは私ばかりではないであろう。そんな1930年生れの著者が、戦時中および敗戦後の心の揺れを振り返り、戦後72年後の今にしてどう思うかを綴った一冊。 私の父が著者と同い年。終戦の年に「志願」して、著者…

小林信彦『おかしな男 渥美清』

渥美清と言えば映画「男はつらいよ」の寅さん(本書表紙)ですが もちろん、リアル渥美清は =人情味あふれるトボけた人気者「寅さん」ではありません。 ≒ですらなく、まるっきり≠であった、ことが分かる評伝です。親交のあった著者が、等身大の実像を描き出…

ホリエモンの言う通り!?

刑務所で視聴が許される番組の一つがNHK日曜昼の のど自慢、ひじょうに高い頻度で「かもめが翔んだ日」が歌われると堀江貴文氏が獄中日記で書いていましたが たしかに時々見るたびに! 今日も 15番目の女性♬

今日お誕生日

headlines.yahoo.co.jp miyashinkun.hatenablog.com

カミュ『異邦人』の、直訳?意訳?超訳?

カミュ『異邦人』で、ムルソーが供述した 殺人の動機はあまりにも印象深い「太陽が眩しすぎたから」・・・ところが、新潮文庫平成26年改版では「太陽のせい」という訳に変わっていました。 ネットと辞書で原文と訳を調べてみました。(私、フランス語ワカリ…

戦闘機乗りから国語先生に へんしん

「仮面ライダー」は今も続くらしい超ロングランゆえ たまに耳に入るたび思い出すのは、、、「へんしん」を「変針」(と黒板に書きながら)だと思っていた と中一のとき松本先生が国語の授業中に。 先生はその理由も話したが そんときは意味が分からずそのま…

ドラッグストアの「匂い」とは@砂田麻美『一瞬の雲の切れ間に』

千恵子がいつも入る近所のドラッグストアには「商品の箱や洗剤がまじったような乾いた匂い」がする(本書5ページ)。 たしかに ドラッグストアってそんな「匂い」だよなあ。小説を読んでいると ハッとさせられる言葉や表現に出会うコトがしばしばあり、それ…

小説のクライマックス(カズオ・イシグロ)

小説のクライマックスとして 私が印象深いのは たとえば 村上春樹『1Q84』の オーウェル『1984年』と真逆的なラスト。(タイトルを見るだけでも ハルキが『1984年』を意識して書いたのは明らかと思います。併せ読みをお薦めします♬) そしてカズオ•イシグロ…

2017年ノーベル文学賞にカズオ・イシグロ

邦訳されているカズオ・イシグロ8作品(短編集1冊を含む)をすべて読んでいます。 そのうち5作の感想↓ ご参考までに。 miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenab…

良多さん

是枝監督映画「そして父になる」を土曜日にテレビで再見しました。 主人公の「良多」という名は、同じく是枝作品「海よりもまだ深く」の主人公と同じ なのですね。そう言えば、わが偏愛する西村賢太私小説の主人公はオノレの名をもじって「北町貫多」。「〜…

北條民雄『いのちの初夜』

日経新聞きのうの朝刊 miyashinkun.hatenablog.com

3年前のきょう亡くなった山口淑子氏

女優として国会議員として著名でしたが、今や文字通り「過去の人」でしょうか。1987年発刊の『李香蘭 私の半生』を読んで、私がとりわけ感じ入ったこと↓ 1920年中国生れの日本人 山口淑子は「中国人女優 李香蘭」として、1930年代半ばから終戦の年まで「満州…

プチ 気持ちのズレ

小説のクライマックスでもないのに印象深い場面、みなさまもいくつかあると思います。私はたとえば水村美苗『本格小説』(こう見えて小説のタイトルです)の一場面。高いところの電球の交換。頼む方はゼンゼン気軽、頼まれる方はちょっぴり屈辱的、、、登場…

きょう終戦の日

一冊の本と一本の映画を改めて紹介します。 miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com 隣国では解放記念日であることにもまた眼を向けたいと思います。去年大ヒットした映画にもそんなシーンが↓ miyashinkun.hatenablog.com

「お言葉」一年

↑けさ日経。とても貴重な問題提起と思います。井上亮編集委員はこういう方面に専門性が高いジャーナリストのもよう。 井上氏が手掛けた好著↓ miyashinkun.hatenablog.com

ボルト自伝

今世界陸上がラストラン、ウサイン・ボルトの自伝。2015年発行(原著2013年)。 綴られた等身大の彼は、表紙写真から受ける印象通り・・・快男児! そしてプレッシャーにも苦しんできた。何度も何度も。

「広島」「長崎」風化?!

一昨年の世論調査↓。一昨日の「ニュースウオッチ9」でも触れられていました。 www.nhk.or.jp たとえば↓、もっと読まれてほしい。 miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com

阿久悠が50年間の100曲を

一世を風靡した作詞家が「心にのこる歌、記憶にのこる歌を、幼時からひっぱり出して来て百編のエッセーを書いた」(著者あとがき)。まさに「五十年間の日本と、五十年間の『私』という人間の年史」(著者あとがき)たりえている一冊。1999年発行。 1940年か…

「失敗国家」のありのまま

高野秀行『謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家ブントランドと戦国南部ソマリア』本の雑誌社、2013年発行。2013年講談社ノンフィクション賞。 無政府状態と言われているアフリカ東部の「ソマリア」。 混乱の極みで政府が機能しないという意味での「無政…

『世界がもし100人の村だったら』

2001年 マガジンハウス発行 9.11のあと読み継がれましたね。「すべてのエネルギーのうち 20人が80%を使い 80人が20%を分けあっています」「20人は栄養がじゅうぶんでなく 1人は死にそうなほどです でも15人は太り過ぎです」「17人は、きれいで安全な水を飲…

ハルキ小説と動物モノ

はや今年も半ばを過ぎ、今年これまで読んだ本の中で5冊を選んでみました。 やっぱりサスガ!の村上春樹、 そして動物がテーマをいっぱい読んだなあ。 miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatena…