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行政書士ミヤシンの800字映画評

映画の感想を原稿用紙1〜2枚分でコンパクトに。ときどき書評。たまに・・・。

新宿中村屋つながり

『日本最初の盲導犬』と ノンフィクションの大秀作『中村屋のボーズ』(白水社 2005年発行)とに「つながり」が!♪『中村屋の〜』は20世紀前半インド独立運動の主導者R・B・ボーズ(表紙写真)の評伝ですが、彼を日本で匿ったのが 新宿中村屋の初代社長。そ…

日本初の盲導犬

1939年。日本最初の盲導犬は 失明した傷痍軍人に仕えた。と言うより、その時代は傷痍軍人用だけだった。 葉上太郎『日本最初の盲導犬』(文藝春秋、2009年)は、戦中戦後10年ほどの間の盲導犬たちをめぐるノンフィクション。その名は、ボド(表紙写真)、リ…

西村賢太、新作!

『芝公園六角堂跡』。先月発刊、西村賢太の新作短編集です。 氏の本にしては珍しく一か月ほども図書館予約待ち。氏はエッセイで 図書館利用の読者に罵詈雑言を浴びせているにかかわらず、全作読んでいる私は一冊も買っていません。それこそ氏のファンらしい …

主語は「わたしたち」

ジュリー・オオツカ『屋根裏の仏さま』。2016年発行(原著は2011年)。 米国に移民した男性の元へ「見合い写真」だけを頼りに日本から嫁いで行った20世紀初頭から 1941年12月「真珠湾攻撃」後までの、「わたしたち」の苦難の日々が綴られた中編小説です。「…

須田セツ子著『私がしたことは殺人ですか?』

映画「終の信託」が材を取った 川崎協同病院事件。重症喘息患者の死をめぐり「安楽死とは 尊厳死とは」の議論、「美人医ウンヌン」の興味本位な報道、で覚えておられる方も少なからず、と思います。著者は殺人罪の有罪判決を受けた(懲役1年6月 執行猶予3年 …

ワンコ本 私的No. 1

著者の飼い犬をめぐるエッセイ『犬心』(文藝春秋社、2013年)。主役はシェパード犬のタケ、準主役が著者およびパピヨン犬のニコとルイ、脇役が著者の家族とその他動物たち。 犬と暮らす素晴らしさと大変さが機微に至るまで描かれている。現代詩の世界で知ら…

伊藤比呂美『ラニーニャ』

著者は現代詩の世界で知られる詩人。本書では、1998年から2001年までに発表された小説3編が収められています。 表紙は、メキシコとの国境付近にあるアメリカ 道路標識のイメージ。ネットでちょいと調べてみたら 似た実物は確かにあるようだ(今現在もあるか…

有吉佐和子『和宮様御留』

長年気になっていて やっと読んだシリーズ^^;長年期待していた通り 重厚な小説だったが 長年想像していた中身とはゼンゼン違った!?!幕末期公武合体のために「降嫁」した皇女和宮の 話ではなく(あらためてタイトルを見ると、和宮は「御留」とちゃんと書い…

眞並恭介『牛と土』 ※2015年講談社ノンフィクション賞

「帰還困難区域」「居住制限区域」の畜産家たち(と牛たち=中表紙もその一頭)の2011年311から2014年までを追ったルポルタージュ。苦難 という言葉では軽すぎる日々。 読みながら・・・「それでも原発推進」の向きがしばしば発する「あの事故で直接死んだ人…

月が二つと言えば・・・

きのうNASA発表「地球に似た惑星」の想像図に「月」が二つ。「1Q84」で天吾が見上げた夜空もこんなだった?!(画像はけさ日経2面) miyashinkun.hatenablog.com

村上春樹 新作!

村上春樹さんの「騎士団長殺し」発売前に重版 : カルチャー : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 何年か前に読んだ 村上春樹『1Q84』。本筋にも本質にも全然関係ありませんが「BOOK3」58ページの、(たとえば『食べたいものを食べたいだけ食べて痩せる』なるタイト…

井上荒野『綴られる愛人』

文通仲介サービス「綴り人の会」。便箋に手書き、が決まりである。 入会した「凛子28歳」と「クモオ35歳」が文通を始める。二人とも名前年齢を含めてほぼ100%ウソを書いたが、そこに込めた思いはほぼ100%真情だった。小さな「ほぼ」から大きな「裂け目」が…

『象にささやく男』

おもしろかった!最近読んだ本(あらゆるジャンルを通して)の中で最高の読み応えでした。 南アフリカで私財を投じて野生動物保護区を運営する著者ローレンスアンソニーはバランス感覚が秀でた人物。動物さんカワイイカワイイの愛玩系とも 捕鯨船体当たり的…

?!?!

乾くるみは男性桜庭一樹は女性恩田陸は女性有川浩も女性なら萩原もとい荻原浩はひょっとして と思いきやコチラはちゃんと^^;男性それじゃあ中山七里は井上荒野はどっちやねん?、、、男性と女性

朴裕河『帝国の慰安婦』 無罪判決

headlines.yahoo.co.jp その本は↓ miyashinkun.hatenablog.com

今回芥川賞★山下澄人『しんせかい』

著者が 倉本聰氏の富良野塾二期生であることは報じられていますが、そうでなくても本作の舞台が富良野塾であるのは読み始めてスグわかります。「ぼく」が入塾してからの一年間が描かれました。「【先生】」と記された倉本氏に対するアンビバレントな感情が…

こうの史代『夕凪の街 桜の国』

大評判映画「この世界の片隅に」の原作者による、漫画作品。双葉社、2004年発行。 あの8月6日から10年目の広島。平野皆実(表紙の女性)、仕事と家事と淡い恋心と、ささやかながら幸せな日常。しかし「この街の人は不自然だ」「誰もあの事を言わない」「いま…

『幻の女』と『異邦人』の・・・

小説の書き出しで心に残るクダリ、誰しも あることでしょう♬ 作家の方々もソコに(も)とりわけ精魂傾けているだろうと思います。訳者の「ウデの見せ所」が加わる翻訳物で、私が二つだけ挙げるなら アイリッシュ『幻の女』の「夜は若く、彼も若かったが、夜…

今年読んだ中での5冊

今年読んだ中でとりわけ!の5冊を選んでみました。順不同です。平野啓一郎『マチネの終わりに』小川洋子『ミーナの行進』谷崎潤一郎『谷崎潤一郎犯罪小説集』北条民雄『いのちの初夜』森健『小倉昌男 祈りと経営』 miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.h…

映画化公開中

大崎善生『聖の青春』(講談社、2000年発行)を読みました。 村山聖のそれをこそ青春と呼ぶなら、私なんぞのは青春とは到底言えないシロモノです。 ↓亡き彼が竜王戦で羽生名人に勝った投了図(講談社青い鳥文庫版328ページ)。

井上荒野『ママがやった』

その日、ママがやった。表紙英文のことを。(「やられた」72歳の「彼」と 7歳年上のママとの)娘二人が 正しくない事後策を決める。息子も含めた家族5人それぞれの「その日」までを描く連作短編集。その「策」は あるいは「正しい」のかもしれない、、、 先…

本田靖春『誘拐』

1963年の幼児誘拐殺人事件をめぐるノンフィクション。 1977年発行(文藝春秋社)、すでに知られているので内容については割愛するとして 目を釘付けにさせられた箇所を。 翌日処刑を告げられたあと犯人が詠んだ短歌 明日の死を前にひたすら打ちつづく 鼓動を…

恩田陸『ユージニア』

昭和40年代、日本三大庭園の一つがある地方都市で、帝銀事件に似ているが 帝銀事件より死亡者が多い毒殺事件が起こった。10年後20年後に11人が語る真相(あるいは「真相」)とは? 現場に残されたメモの、ユージニアなる言葉の意味は?2006年日本推理作家協…

小倉孝保『空から降ってきた男』

2012年9月9日朝 ロンドン郊外で、高度760メートル上空を飛ぶ旅客機から、旅客ではないアフリカ人20代男性が墜落死した。彼はアフリカ南部のモザンビーク生れ。必死の思いから 文字通り「必死」の方法で飛行機に「乗った」青年の「その時」までを追ったルポル…

悪いクセ⁇

本のタイトルを読み間違えているコトがままあります。 ハローワークと思い込んでいたがために ゼンゼン読む気がしなかった(のがどうしてなのかはワカリマセン)、村上龍『55歳からのハローライフ』 村上つながりで 村上春樹『1973年のピンボール』 ビーンボ…

高木智子『隔離の記憶 ハンセン病といのちと希望と』

ハンセン病ゆえに強制隔離されてきた人たちを巡るルポルタージュ。著者は朝日新聞記者。2015年発行。読みながら何度も涙が出ました。病気に罹った人たちの気高さばかりでなく、支援や交流を行う人たちのまごころと志に。「いのちの授業」を続けてハンセン病…

小林信彦『おかしな男 渥美清』

渥美清と言えば映画「男はつらいよ」の寅さん(本書表紙)ですが もちろん、リアル渥美清は =人情味あふれるトボけた人気者「寅さん」ではありません。≒ですらなく、まるっきり≠であった、ことが分かる評伝です。親交のあった著者が、等身大の実像を描き出…

山崎朋子『サンダカン八番娼館』

1972年刊。「豊子」に非ず(念の為)。 ボルネオのサンダカンに日本人娼館が九番館まであった。明治後期から昭和初期までのからゆきさん(= https://ja.m.wikipedia.org/wiki/からゆきさん )たちの 凄絶な では形容が軽すぎるほどの人生。 そうであった一…

小川洋子『ミーナの行進」

1972年、朋子は中一の一年間を小六のいとこミーナの家で暮らす。二人はすぐ仲よしになった。姉妹のように。そして、ポチ子と三姉妹のように。池付きの広大な庭のあるミーナの大邸宅で飼われるコビトカバのポチ子と。朋子にとってミーナにとってかけがえのな…

ボブディラン

なにかとオクテだった私が、その名を初めて知ったのはガロ「学生街の喫茶店」の歌詞で です。 たしか他にも その名が歌詞に入っている60〜70年代あたりの曲、あるよね? この機会にまたプチ流行るかも。 そう言えば、毎回有力候補と言われる(実際のところホ…

中島京子『長いお別れ』

8編から成る連作短編集です。2015年刊行。ミステリーの古典たる チャンドラーの同名作とは全く関係ありません。(著者の直木賞作『小さいおうち』は 古典的絵本「ちいさいおうち」と関係大ありでしたが。) 主人公(と言うべきか)は、認知症がドンドン進行…

森健『小倉昌男 祈りと経営』

私が新米営業マンだったときに担当していたヤマト運輸には、仕事はアグレッシブ、人柄は人間味溢れる社員がおおぜいた。同社の中興の祖として知られる小倉昌男氏が社長を務めていた時期である。本作を読んで、なるほど!小倉イズムでもあったんだなあと感じ…

「戦犯裁判」を知り、考えるために

写真左は2009年、右は2010年刊。日本経済新聞出版社。 日経新聞の井上記者が、今世紀になって国立公文書館で初公開された裁判記録を中心に史資料を読み解きます。さすがは大手新聞のベテラン記者と言うべきか、膨大な史資料を手際よく配し、文章もたいへん分…

新書あれこれ

新書の老舗を一つ挙げるなら岩波、二つ挙げるなら岩波と中公、三つ挙げるなら岩波と中公と講談社、と言えましょうがその講談社現代新書の装丁、いつの頃からかシックな(または味も素っ気もない)モノに変わりましたね。前のヤツの方が好きだったなあ。*写…

三木卓『K』

同年代のあいだでは結婚何周年の話題がときどき出ますが 刊行された2012年に評判になった三木卓『K』は 「Kのことを書く。Kとはぼくの死んだ配偶者で~」と書き出され 何十年間も夫婦であった妻に対する心情と 夫が想像する、妻の心情が綴られています。 …

津村記久子『うそコンシェルジュ』

『新潮』9月号で、津村記久子を初めて読みました。 二段組19ページの短短編。「うそを見破れないけれども、うそがばれたこともない」と冒頭で語る小林みのりは、30代半ば(『コンビニ人間』主人公と同年代)の「仕事に疲れた地味な女」。姪から「うそコンシ…

珠玉のラスト☆平野啓一郎『マチネの終わりに』

なんとなく平野啓一郎は難解(文章も内容も)と思い込んでいたが、本作は さにあらず だった。新聞小説だからか やっぱり単なる思い込みだったか。 ひとことで言うとしたら恋愛小説 であろう。アラフォー同士の、クラシックギタリストの彼と、フランス通信社…

岸政彦『断片的なものの社会学』

タイトルを見てどんな中身を想像されるでしょうか。社会学の専門書(とは思わないでしょうけど)? 社会学の一般書? 社会学者による軽めのエッセイ? どれも違います。 1967年生まれの社会学者たる著者が行なうたくさんの聞き取り調査で得られた語りには …

ラグビー本

サッカーとともに わが愛するフットボールであるラグビーの 書き手たちはナゼか凝った文章が多くて、、、 その点、村上晃一氏はとってもイイ。 アタマの中だけでこねくり回したようなシロモノでなく、(いい意味で)ケレン味ゼロの文章。 ラグビーにとどまら…

『あしたのジョー』

小学生の頃おこづかいを『少年マガジン』だけに費やしていた。一冊60〜70円の時代。ギャグの二本柱「天才バカボン」と「パットマンX」に毎週大笑いさせてもらったものだが、なんと言っても最大のお目当ては「巨人の星」だった。 「あしたのジョー」もワクワ…

きょう8月6日

そして9日、15日。 考えるための材料として私なりに何冊か紹介いたします↓ 戦後70年の昨年, 読んだ本 の検索結果 - 行政書士ミヤシンの800字映画評

沢木耕太郎『流星ひとつ』

『テロルの決算』『敗れざる者たち』『一瞬の夏』。私より一世代上にあたる沢木耕太郎が20〜30代で書いたノンフィクションを 若いころ読んで、瑞々しさと「老成」に魅きつけられたものです。(後者はふつう褒め言葉ではないでしょうが、ココは褒め言葉で。)…

群像新人文学賞・崔 実『ジニのパズル』

1998年ミサイル発射実験が行われたとき朝鮮学校の中学生だった彼女は「政治」とド正面から「対峙」する、ある行動を起こす。著者自伝的なのであろう(たぶん)。 70年代に10歳代であった私は(浅い)正義感(浅い理解に基づく)から 政治に(浅い)関心を持…

この半年間でとりわけ印象深い本

miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com miyashinkun.hatenablog.com

英国だからこその⁇国民投票

「スピーチを米国人はジョークから始める。XX人は〜から始める。日本人はお詫びから始める」(©︎故河合隼雄氏)みたいに国民性を風刺した小噺、世界中にイロイロあるよね。 そのうちの一つ、初モノに直面したとき「英国人は、家族全員でおごそかに投票で決定…

『評伝 ナンシー関』

横田増生著、朝日新聞出版、2012年発行。「評伝にするほどの人?」から「待ってました!」まで反応は別れるかもしれませんがワタシはダンゼン後者です。02年に早逝したナンシー関。消しゴム版画という秀逸なアイディア、出来もインパクト抜群。毒含みの切れ…

「日本史の謎を地形で解く」

本を読んで目からウロコが落ちるのはナゼかたいてい電車の中!?という私自身のナゾはさておき 最近の 目からウロコは、「日本史の謎は地形で解ける」シリーズ。(いい意味で)電車で読むのに適した、ほど良い「軽さ」。モチロン文庫本なので物的にも軽い。…

西村賢太の私小説

私が西村ブシを好むのは そこはかとないユーモアが漂う(と言うほど上品ではないけど)文章もさることながら何と言ってもオノレそのものを丸ごと書き込んでいるからです。それは多少なりとも大げさであろうロクデナシ振る舞いの描写のことに非ず品性の卑しさ…

なぎら健壱『日本フォーク私的大全』

元祖ゆるキャラ? テレビで微妙な存在感の なぎら健壱は元々はフォークシンガー(を知ってる私のトシが分かる^^;)。 60年代70年代 フォークに魅せられて自らもシンガーソングライターになった著者が、その時期のフォークシーンを概観する。バッチリ索引付き…

時節柄

こないな本を持ってます^^;