行政書士ミヤシンの800字映画評

映画の感想を原稿用紙1〜2枚分でコンパクトに。ときどき書評。たまに・・・。

昨年話題映画「メッセージ」原作

2003年(原著は2002年)発行のSF短編集。表題作が 映画「メッセージ」の原作です。 地球に訪れた異星人が使う言語は、私たちとはまるっきり体系も次元も異なるモノだった。その意思疎通に取り組む女性研究者。ときおり挟まる、彼女と娘との親子の会話が共通…

佐野眞一ノンフィクション

数年前の筆禍事件(と言うべきか)以来、、、の佐野氏ですが 大量にして重層的な取材。その結果を淡々と ならぬ自らの世界観を前面に押し出した その視座からの ナルホドこれが佐野ブシ!と言うべき その人物評伝は、余人をもって代え難いと思います。 たく…

宮下奈都『ふたつのしるし』

心地よい読後感。素敵な小説です。幻冬舎、2014年発行。著者は一昨年『羊と鋼の森』で直木賞を受賞しました。 「落ちこぼれ」の彼が東京の小学校に、優等生の彼女が金沢の中学に入学した1991年に物語は始まる。その20年後すなわち「あの」2011年、接点などま…

終戦直後期は? 戦中期は?

15年ほど前に ジョン・ダワー著『敗北を抱きしめて』(岩波書店、2001年)を読んで私が生まれた直前期にもかかわらず昭和20年代の日本社会に関して無知に等しいと痛感して以来人々が新しい体制をどう「受容」したか(しなかったか)をテーマにした本を時折読…

佐川光晴『大きくなる日』

涙腺を刺激するツボは人それぞれと思いますが9話中5話で決壊しました。電車の中で^^; 連作短編集。とっても感じのいい 表紙↑のような4人家族。男の子の保育園卒園式から 「大きくな」ったとお母さんが実感した中学卒業式までの間、大事件が起きるわけではな…

三田村蕗子『「ポッキー」はなぜフランス人に愛されるのか?』

ねじり鉢巻き読書より箸休め的読書に適した一冊。お菓子をつまみながらホッとひと息のように♬ 菓子メーカーの海外展開がたくさん紹介されていますが拡販戦略の精緻な分析、というわけではありません(副題は「海外で成功するローカライズ・マーケティングの…

『あしたのジョー』!

小学生の頃おこづかいを『少年マガジン』だけに費やしていた。一冊60〜70円の時代。ギャグの二本柱「天才バカボン」と「パットマンX」に毎週大笑いさせてもらったものだが、なんと言っても最大のお目当ては「巨人の星」だった。 「あしたのジョー」もワクワ…

私的オールタイム10冊

ドストエフスキー『罪と罰』や漱石『こころ』やカフカ『審判』 あるいは村上春樹やカズオ・イシグロではあったりまえすぎる?ので ほぼ読んだ順で、他の時期に読んでいたら入らないかも の私的で私的な10冊。 ①クイーン『Yの悲劇』中坊のとき初めて読んだ大…

大鹿靖明『東芝の悲劇』

今年9月発行。著者は朝日新聞の記者。ベテラン新聞記者ならではの整理された構成と達意の文章により、経営判断の誤りや経理上の不正で社長五代の間に同社が「崩壊」(本書第六章タイトル)していく推移がよく分かります。 ただし、、、「わかりやすい話」や…

「順愛」

高橋順子『夫・車谷長吉』2017年5月発行。妻である詩人・順子が、長吉との日々を回想した手記。 車谷長吉(2015年死去)は、私小説作家として評価が高く、実在の人物を悪し様に描くことでも知られ、毀誉褒貶が激しかった。 長吉の想いに応えて1993年に40代後…

中島京子『長いお別れ』

8編から成る連作短編集です。2015年刊行。ミステリーの古典たる チャンドラーの同名作とは全く関係ありません。(著者の直木賞作『小さいおうち』は 古典的絵本「ちいさいおうち」と関係大ありでしたが。) 主人公(と言うべきか)は、認知症がドンドン進行…

小川洋子『ミーナの行進」

1972年、朋子は中一の一年間を小六のいとこミーナの家で暮らす。二人はすぐ仲よしになった。姉妹のように。そして、ポチ子と三姉妹のように。池付きの広大な庭のあるミーナの大邸宅で飼われるコビトカバのポチ子と。朋子にとってミーナにとってかけがえのな…

死刑執行前日の短歌

本田靖春『誘拐』は 1963年の幼児誘拐殺人事件をめぐるノンフィクション。1977年発行(文藝春秋社)。すでに知られているので内容については割愛するとして 目を釘付けにさせられた箇所を。 翌日処刑を告げられたあと犯人が詠んだ短歌 明日の死を前にひたす…

森健『小倉昌男 祈りと経営』

私が新米営業マンだったときに担当していたヤマト運輸には、仕事はアグレッシブ、人柄は人間味溢れる社員がおおぜいいた。同社の中興の祖として知られる小倉昌男氏が社長を務めていた時期である。本作を読んで、なるほど!小倉イズムでもあったんだなあと感…

可愛いぬいぐるみが可愛く動いてくれたらなあ〜

〜と夢想したことはありませんか。ソレが実現したような動物だなあと思います♪ 表紙↑が本屋さんで目に飛び込んできて。あかパン(あかちゃんパンダ)たちの写真が100枚以上。11月19日発行。シャンシャン便乗本などと言うなかれ^^; ↓パンダのXXはゼンゼン臭く…

「日本史の謎を地形で解く」

本を読んで目からウロコが落ちるのはナゼかたいてい電車の中!?という私自身のナゾはさておき 最近の 目からウロコは、「日本史の謎は地形で解ける」シリーズ。(いい意味で)電車で読むのに適した、ほど良い「軽さ」。モチロン文庫本なので物的にも軽い。…

動物に「心」はあるか?

フランス・ドウ・ヴァール『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』紀伊国屋書店、2017年(原著は2016年) 著者は、『道徳性の起源 ボノボが教えてくれること』等でも知られる動物行動学者。氏の、現時点(正確には昨年時点)での集大成と言えるだろう一冊…

親世代がいてこそ

父の本棚に並んでいた、ケインズの代表作。昭和26年刷。何度も読み込んだ跡がありました。父に限らず、あの時代の学生の勉強ぶりはハンパなかっただろうなあと想像します。 終戦時は軍隊にいました。10代〜20代 年月の長さは私たち世代と同じでも、、、とも…

30年後の今の時代精神は?

本棚の整理。渡辺和博とタラコプロダクション『金魂巻』。80年代のベストセラー、◯金 ◯ビ が流行語にもなったコレ、どうしようかなあ。 15年ほど前のわが修士論文『「戦後民主主義」とは何だったのか』の中で本書のことを こう↓書いていた。 「ビンボーの人…

高木智子『隔離の記憶 ハンセン病といのちと希望と』

ハンセン病ゆえに強制隔離されてきた人たちを巡るルポルタージュ。著者は朝日新聞記者。2015年発行。読みながら何度も涙が出ました。病気に罹った人たちの気高さばかりでなく、支援や交流を行う人たちのまごころと志に。「いのちの授業」を続けてハンセン病…

福島の牛 映画と本

www.power-i.ne.jp ↑いま公開中のドキュメンタリー映画。この公式サイトを見ると、私が今年読んだ中で印象深いベスト5に入るルポルタージュ↓に出てくる畜産家が何人も出演しています(サイトでは この本について全く触れられていませんが)。観よう! miyash…

従軍慰安婦問題

筑摩書房のPR誌『ちくま』 3年前の今月、2014年11月号に 従軍慰安婦に関する保阪正康氏の論考が載っていました。 「業者が若い女性を騙して連れてきたケースは」「決して少なくなかったことは」「すぐにわかることだ。」 「軍隊と性について語るときに、幾つ…

須田セツ子著『私がしたことは殺人ですか?』

映画「終の信託」が材を取った 川崎協同病院事件。重症喘息患者の死をめぐり「安楽死とは 尊厳死とは」の議論、「美人医ウンヌン」の興味本位な報道、で覚えておられる方も少なからず、と思います。著者は殺人罪の有罪判決を受けた(懲役1年6月 執行猶予3年 …

?!?!

乾くるみは男性桜庭一樹は女性恩田陸は女性有川浩も女性なら萩原もとい荻原浩はひょっとして と思いきやコチラはちゃんと^^;男性それじゃあ中山七里は井上荒野はどっちやねん?、、、男性と女性

恩田陸『ユージニア』

昭和40年代、日本三大庭園の一つがある地方都市で、帝銀事件に似ているが 帝銀事件より死亡者が多い毒殺事件が起こった。10年後20年後に11人が語る真相(あるいは「真相」)とは? 現場に残されたメモの、ユージニアなる言葉の意味は?2006年日本推理作家協…

西村京太郎『十五歳の戦争 陸軍幼年学校「最後の生徒」』

著者の十津川警部シリーズを通勤電車の伴としていたのは私ばかりではないであろう。そんな1930年生れの著者が、戦時中および敗戦後の心の揺れを振り返り、戦後72年後の今にしてどう思うかを綴った一冊。 私の父が著者と同い年。終戦の年に「志願」して、著者…

小林信彦『おかしな男 渥美清』

渥美清と言えば映画「男はつらいよ」の寅さん(本書表紙)ですが もちろん、リアル渥美清は =人情味あふれるトボけた人気者「寅さん」ではありません。 ≒ですらなく、まるっきり≠であった、ことが分かる評伝です。親交のあった著者が、等身大の実像を描き出…

ホリエモンの言う通り!?

刑務所で視聴が許される番組の一つがNHK日曜昼の のど自慢、ひじょうに高い頻度で「かもめが翔んだ日」が歌われると堀江貴文氏が獄中日記で書いていましたが たしかに時々見るたびに! 今日も 15番目の女性♬

今日お誕生日

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カミュ『異邦人』の、直訳?意訳?超訳?

カミュ『異邦人』で、ムルソーが供述した 殺人の動機はあまりにも印象深い「太陽が眩しすぎたから」・・・ところが、新潮文庫平成26年改版では「太陽のせい」という訳に変わっていました。 ネットと辞書で原文と訳を調べてみました。(私、フランス語ワカリ…