高橋弘希『指の骨』新潮社、2015年
大戦末期、南太平洋の島の野戦病院。
「私」たち重傷者の無為で無為な日々。そして マラリヤで次々と命を落とす。
21歳の「私」と親しかった同年代の者たちは 皆、戦闘で 野戦病院で、死んだ。
ある日突然、敗走が始まる。凄惨 という言葉ではあまりに軽すぎるほどの、、、
昨年1月に発表された芥川賞の 候補作。
ワタシ的には受賞作(『九年前の祈り』)よりこちらに一票かな。
声高に反戦を訴えるのではない、優れた反戦小説たり得ていると思いました。