朴裕河『帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い』朝日新聞出版、2014年。
日本語書き下ろし版。(著者は日本で 大学を卒業し、大学院を修了している。)
大日本帝国による植民地化が(戦争が、に非ず)もたらした負の構造であった(「帝国の慰安婦」)という大前提の上で、
彼女たちを「連れて行った」業者(彼女たちの同胞もいた)の「罪」も等閑視してはならない、、、
「支援」者の「強制された少女」という「記憶」も 「否定」者の「自発的な売春婦」という「記憶」も(それに類するような例外はあったにせよ)植民地支配のもとでの現実(=構造)とはほど遠い、、、
まさにタイトル通りの内容と言える。
であるだけに、著者は自他共に認める孤独な闘い。
本書韓国版は 彼女たちの支援団体などからバッシングを受けた。
むろん、「日本はいいこともした」的な「否定」派(の一部)から 「敵の敵は味方」とばかりに支持されようはずもなく。
著者が起訴されたとのニュース。
日本語版を読む限り、言論の自由以外のなにものでもないと思うけどなあ。