行政書士ミヤシンの800字映画評

映画の感想を原稿用紙1〜2枚分でコンパクトに。ときどき書評。たまに・・・。

ベラボウな「作戦」

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古川薫『君死に給ふことなかれ』幻冬舎、2015年7月

 

終戦時二十歳だった深田隆平(≒著者)は 航空通信兵として特攻兵たちの近傍にいた。そのうち、ある「濃い縁」で結ばれたのにイニシャルしか知りえなかったM・Kは誰だったのか? 世紀をまたいで調べてみると 彼は練習機「赤トンボ」で米国駆逐艦に、、、終戦の20日ほど前だった。特攻死後、少尉に「昇任」。

 

故M・Kさん(実在)は、私の父が終戦直前期に15歳で入った予科練の出身で 特攻時は父より3歳ほど年上にすぎず。

私はこの世に存在しなかったかもしれないと思うことは決して空想次元ばかりではない とあらためて。

 

著者の実体験に基づく小説。昨年、メディアで評判になった。

純粋に小説としての出来栄えは?と問われると・・・なるも

「前頭葉を石膏のように真っ白にした無能な指揮官たちのうわごとにすぎなかった。」(184ページ)などのおよそ「文学的」ならざる表現に象徴されるような

 

非人間的にして愚かしい「作戦」の推進者に対する激しい憤りが十分に伝わってきた。