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行政書士ミヤシンの800字映画評

映画の感想を原稿用紙1〜2枚分でコンパクトに。ときどき書評。たまに・・・。

カズオ・イシグロ『日の名残り』

 

執事スティーブンスは1956年7月、英国内で6日間の「旅」に出る。
その行程中の出来事と ダーリントン卿に仕えていた1920〜30年代の回想が交互に、、、スキもムダもない構成。


「その時代の英国人執事」として想像できそうな?話ではありません(いや超想像通りと言うべきか)。
全体にわたってウイットも。206ページ1行目「申し遅れましたが」の文字通りの意味と(文字通りの意味よりも)隠れた意味。ココだけでもこの作品を読んで と言うより読書が趣味でよかった、と思いました。

個人的に惜しむらくは何年か前に映画化を観ていたこと。秀作でしたが(秀作だっただけに)ところどころシーンが頭に浮かんでしまい、、、もしこれからの方は先に小説を読むようオススメいたします。

ハヤカワepi文庫2001年(原1989年)。端正にして情緒豊かな描写。深い余韻も残ります。