行政書士ミヤシンの800字映画評

映画の感想を原稿用紙1〜2枚分でコンパクトに。ときどき書評。たまに・・・。

佐川光晴『大きくなる日』

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涙腺を刺激するツボは人それぞれと思いますが
9話中5話で決壊しました。電車の中で^^;

連作短編集。
とっても感じのいい 表紙↑のような4人家族
男の子の保育園卒園式から 「大きくな」ったとお母さんが実感した中学卒業式までの間、
大事件が起きるわけではない(と言っても退屈感なく 話がテンポよく転がっている)
4人それぞれと周囲の人たちにかかわる日常の
哀歓と心の揺れ。

人は誰でも ちょっとした誤解 ときとして偏見を持っているが、誤解(または偏見)に他ならないと薄々気づいていて、日常の出来事に正面から向き合えばソレを解消しうる
というメッセージが込められていると感じました。

朧に覚えている我が子どもの頃、それよりはハッキリ覚えている子育ての頃を
読んでいて「それって あるある!」と何度も思い出しました。それは、普遍性がある とも言えるのでしょう。
以前に私が持っていたのと同じ誤解(偏見)も出て来ました。

ステージに見立てた中央スペースを挟んで両脇、前列に園児 後列に親が座るが、親子が向かい合うように 子の正面後列に自分の親が座る
のが いまどきの保育園卒園式のようですね。
むかしはそないな工夫(または配慮)はなく、ムスコの背後に座りました(と記憶)。

集英社 2016年。

著者の『おれのおばさん』『牛を屠る』も良かった。