タイトルを見てどんな中身を想像されるでしょうか。社会学の専門書(とは思わないでしょうけど)? 社会学の一般書? 社会学者による軽めのエッセイ?
どれも違います。
1967年生まれの社会学者たる著者が行なうたくさんの聞き取り調査で得られた語りには 研究の題材には至らない様々な「断片」がある、、、それをとっかかりにして考えを深めると言うより思いを巡らした一冊です。著者の心の揺れそのままに文中「わからない」が何度も出てきます。(聞き取りはあらゆる階層の人に行なっているとのことですが、本書で取り上げられた「断片」は全ていわゆる「下流」です。)
自由とは? 自分とは? 人と人との繋がりとは? ふつうとは?(芥川賞『コンビニ人間』とは別の角度から) マイノリティとは?そしてマジョリティとは?
著者とともに、大いに考えさせられました。
2015年発行。