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行政書士ミヤシンの800字映画評

映画の感想を原稿用紙1〜2枚分でコンパクトに。ときどき書評。たまに・・・。

珠玉のラスト☆平野啓一郎『マチネの終わりに』

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なんとなく平野啓一郎は難解(文章も内容も)と思い込んでいたが、本作は さにあらず だった。新聞小説だからか やっぱり単なる思い込みだったか。

ひとことで言うとしたら恋愛小説 であろう。アラフォー同士の、クラシックギタリストの彼と、フランス通信社の記者である クロアチア人とのハーフの彼女との。
すれ違い を軸に進む。『君の名は』(「真知子巻き」のほうね^^;)ほか恋愛物の定石と言えるだろう すれ違いは 携帯電話の普及で禁じ手になったとも言われるが、本作では携帯電話が有るがゆえに すれ違う。
一般的な「未来は変えられるが 過去は変えられない」とは真逆の、序盤で彼が語る「未来は常に過去を変えている。変えられるとも言えるし 変わってしまうとも言える。過去はそれくらい繊細で感じやすいもの」が 全体を通しての(二人以外の登場人物にとっても)キーになっている。

「マチネの終わりに」展開するラストがとてもとても美しい。
読んでよかった♬と心から思える一冊。今年4月発刊。

※今ヒット中『君の名は。』のすれ違い は意味が違うようだね。