読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

行政書士ミヤシンの800字映画評

映画の感想を原稿用紙1〜2枚分でコンパクトに。ときどき書評。たまに・・・。

「戦犯裁判」を知り、考えるために

f:id:miyashinkun:20161002100811j:plain


写真左は2009年、右は2010年刊。日本経済新聞出版社

日経新聞の井上記者が、今世紀になって国立公文書館で初公開された裁判記録を中心に史資料を読み解きます。さすがは大手新聞のベテラン記者と言うべきか、膨大な史資料を手際よく配し、文章もたいへん分かりやすい。章分けされたテーマ毎(左は検察側立証、弁護側立証など。右は捕虜虐待、市民虐待など。)に昭和史専門家(半藤氏 保阪氏 秦氏)による討議が付されています。
だから、分厚いながら苦もなく読み進めることができます。

戦犯裁判は 21世紀の日本に生きる私たちにとって原点とも言えるのではないでしょうか(いい意味でも悪い意味でもふつうの意味でも)。
この二冊をお薦めしたいと思います。

なお、本書に限らず戦犯裁判に関する本にはたいてい書いてあることですが
A級(被告は東京裁判のみ)は「平和に対する罪」、B級は「通例の戦争犯罪」、C級は「人道に対する罪」。すなわち あくまでも「戦争犯罪」の分類記号であり、「優勝を逃した巨人軍のA級戦犯」(いみじくも「軍」^^;)といった俗用のようにA級が重大事案だったり その被告は重要人物だったりの意味ではありません(事実上はそうとも言えますが)。