行政書士ミヤシンの800字映画評

映画の感想を原稿用紙1〜2枚分でコンパクトに。ときどき書評。たまに・・・。

小川洋子『ミーナの行進」

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1972年、朋子は中一の一年間を
小六のいとこミーナの家で暮らす。
二人はすぐ仲よしになった。姉妹のように。そして、ポチ子と三姉妹のように。池付きの広大な庭のあるミーナの大邸宅で飼われるコビトカバのポチ子と。
朋子にとってミーナにとってかけがえのない一年間の物語。きめ細やかな文章で美しいストーリーを紡ぐ著者ならではの。
表紙を描いた寺田順三氏の挿画がたくさん配されていて、これまたとってもイイ。

ポチ子は、無骨な感じのない すっきりした カバらしくない顔、でしたが
上野動物園のモミジちゃん↓も実 にカワイイ♬顔でした。
世界三大珍獣ジャイアントパンダオカピと)とも言われるコビトカバ(カバ科コビトカバ属)は、よく見ると獰猛な顔をしていて気性も激しいらしいふつうのカバ(カバ科カバ属)とは何かと違うようですね。

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1972年と言えばミュンヘン五輪。大人気となった男子バレーボール日本代表に二人も熱狂します(ポチ子は無関心^^;)。
ミーナは名セッター猫田の大ファンでしたが
その年ちょうど私も中坊でして、セッターが上手くて小柄で子猫みたいに可愛いらしいルックスの同級生に「猫田」というアダ名がついたコトを懐かしく思い出しました(ハタチのころ往来ですれ違いざま10センチくらい上から「久しぶり!」と呼び止められました。彼でした^^;)。そんなこんなも読書の愉しみですよね。

蛇足ながら
2006年 中央公論新社刊の本作は新聞小説だけあって(であろう)純文学色(と言うべきか)はきわめて薄い。たとえば 文芸誌に連載された『猫を抱いて象と泳ぐ』とは真逆です。掲載媒体を知るのも本を選ぶのに効果的かも。モチロン著者の両面を味わうコトをオススメします。

たとえばアンチ村上春樹は少なからずかもしれませんが、アンチ小川洋子はあんまりいないのではないでしょうか。クセがないのにエッジが効いているとでも言うか(中にはクセ強めの作もありますが)。