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行政書士ミヤシンの800字映画評

映画の感想を原稿用紙1〜2枚分でコンパクトに。ときどき書評。たまに・・・。

山崎朋子『サンダカン八番娼館』

1972年刊。「豊子」に非ず(念の為)。

ボルネオのサンダカンに日本人娼館が九番館まであった。
明治後期から昭和初期までの
からゆきさん(= https://ja.m.wikipedia.org/wiki/からゆきさん  )たちの

凄絶な では形容が軽すぎるほどの人生。

そうであった一人(そうであっただけに)サキさんが
アンフェアとも言えそうな取材方法を詫びる筆者に
心のこもった(これまた形容が軽すぎる)言葉を、、、
サキさんの言葉を読んでいて涙が止まらなくなった(感動して)。長らく読みたいと思っていましたが、そのように涙腺に作用する本とは思ってなかった。

少々古い一冊ですが
いわゆる従軍慰安婦 にもつながる
史実を知るためにもオススメします。

 

そして、『サンダカンまで わたしの生きた道』朝日新聞社 2001年刊。
昭和7年(1932年)生れの著者が『サンダカン〜』を出版した昭和40年代までの自伝です。

読んでいろんなことを考えさせられたが
一つあげるなら、昭和20〜30年代の女性の「生きづらさ」。
モチロン著者は犯罪被害者(強く憎むべき種類の犯罪の)であったなど「波瀾万丈」の個別性があるのは確かだが、この時期の女性全体に通じる普遍性もあると言って過言はないだろう。
女性に選挙権がなかったり旧民法で妻は「無能力者」だったりの時代から10年や20年で人々の(男性の)意識がそうそう変わるはずもなかっただろう、と思う。して今は?とも思う。