「どのような形でも構わないから、これを公表してもらいたい」と ぶ厚いノート3冊が旧知の男から小説家の私に送られてきた。男の求め通り「茅原家の兄妹」と題して、文芸誌で連載を始める。小説仕立てにして。
没落した資産家兄妹が暮らす山奥の広大な別荘に、兄とは大学同級生で13年前の卒業後は連絡を取ることもなかった「私」が招かれる。
数日間の滞在中に見聞きさせられる、数々の常軌を逸した出来事。しかし、それらは些細な出来事にすぎなかった(「公表してもらいたい」男の求めも含めて) ことが最終ページで明らかになる。
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ミステリーと分類してよいでしょう。
所々に張り巡らされていたであろう伏線が気になって気になって最初から読み返したくなりそうな。
講談社 2015年発行