行政書士ミヤシンの800字映画評

映画の感想を原稿用紙1〜2枚分でコンパクトに。ときどき書評。たまに・・・。

カンヌ受賞映画「万引き家族」(と「俺たちに明日はない」)

夕立のときの治(リリー・フランキー)と妻・信代(安藤サクラ)のシーン。「俺たちに明日はない」の最終盤、野っ原でのウオーレン・ベイティとフェイ・ダナウエイのシーンへのオマージュと思えた。

「その行為」のあとのベイティを彷彿とさせる、リリー「できた?」のセリフ。そして安藤サクラの表情いや全身による凄!演。ダナウエイに匹敵する以上と思った(「美人女優」のカテゴリーに入るであろうダナウエイと比較するのは乱暴にせよ)。「百円の恋」での劣勢のボクシング試合シーンを「ロッキー」や「ミリオンダラーベイビー」と比べて同様に思ったように。

初江(樹木希林)・治・信代・亜紀(松岡茉優)・祥太が幼い女の子を「引き取る」経緯から物語は始まる。が、そもそも一緒に暮らしている5人の「関係」は終盤まで分からない。

謎解きストーリーではなく、家族か「家族」かといったことはどうでもよい一つ屋根の下で暮らす人間同士といったメッセージだろうと思うが、うーん、私は感応しきれず。正直 「謎を引っぱりすぎ」のストレスを少々覚えてしまった。(家族を描いた近年の是枝監督作「そして父になる」「海街diary」「海よりもまだ深く」では家族のいろんな事情が序盤で明らかになり、それを踏まえて物語が展開するのと対照的なつくり。)

共に悩んだり喜んだりいたわったり、時には小競り合う5人(プラス1人)。共に犯罪も犯すが、そう言えば「俺たちに明日はない」の5人も犯罪を重ねながら一緒に「暮らし」ていたな。

10代のとき観た「俺たちに明日はない」は、私を映画好きにさせてくれた作です。早稲田松竹で。「スケアクロウ」との二本立て。

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