表紙の絵を初めて見て、これが何かを言い当てられる人はまずいないだろう。これは聖画であり、人物は キリストに洗礼を授けたヨハネ。長崎県生月島の「かくれキリシタン」で伝えられてきた。
ことほどさように 、
「かくれキリシタン」の信仰はキリスト教とは似て非なる又は似ても似つかぬものとみるべきか(『沈黙』を著した遠藤周作はそのスタンスだった、と著者はみなす)、
それとも・・・
著者が取材と考察を重ねた結果は、「それとも」だった。
広野真嗣『消された信仰』 2018年刊行。第24回小学館ノンフィクション大賞受賞作です。