行政書士ミヤシンの800字映画評

映画の感想を原稿用紙1〜2枚分でコンパクトに。ときどき書評。たまに・・・。

手塚治虫『火の鳥』

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ストーリーテリング!そしてイマジネーション!(歴史、宗教、科学等々 文理にわたる広い知識に裏打ちされての!) もちろん画力! 私なんぞが改めて言うまでもないが。

1950年代に著された 別巻収録作は別枠として
過去は3世紀邪馬台国の時代(No.1黎明編)から、未来は35世紀(No.2未来編)から、交互に現代に近づいていく 壮大な構想。1967年から発表が始まった。手塚治虫氏が1989年に逝去したため、現代に到達する企図は果たせず。過去は12世紀の平家滅亡までしか進まかった。だが、未来は2010年頃なのでいみじくも今の時点では現代に「到達」している。氏が描いた2010年は現実とは大きく異なるが、描かれた「未来型の全体主義」は多少なりとも予言になり得ていると捉える向きもあるかもしれない。

改めて通読してみたら思っていた以上に各編とも恋愛がキーになっていた。
ただ、女性観がややステレオタイプかなあ。ジェンダーの観点がまだ乏しかった1960〜80年代、氏ほどのリベラル(であることは『火の鳥』全体が示している)でさえそんなふうであったという歴史的資料にも位置づけられると思う。

そのステレオタイプは 規制秩序粉砕を叫んでいた60年代末全共闘世代も↓

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