ミヤシンの映画と読書とスポーツ+馬鹿話

子供の時からミヤシンと呼ばれている男です。本や映画やスポーツやニュース等の感想を短く書きます。2016年1月に始めました(2020年4月にブログタイトルを変更しました)。

映画「卒業」のラスト考

1967年制作の「卒業」。言わずと知れた、アメリカンニューシネマ代表作の一つ。サイモン&ガーファンクルの名曲もあまりにも有名ですね。私なぞが今さら言うべきことはないのですが
ラストで、ベンジャミン(ダスティン・ホフマン)が結婚式中のエレイン(キャサリン・ロス)を教会から連れ去るとき 閂代わりに十字架を扉に差し込んで追っ手を阻みましたね。あれ、凄いシーンだとつくづく思います。他ならぬ十字架を「道具」として、しかも乱暴かつ「インモラル」な行為の道具として、ちょうどいい物があったとばかり使う。「ピューリタンが造った国家」たることがアイデンティティでもあろう、敬虔なクリスチャンが多数いる国の映画で。(ニーチェ「神は死んだ」とも相通じるのかどうか?)

詮ない空想ですが、もしもあの教会がカトリックだったとしたらとフト思います。十字架に磔されたキリストが目に入って 少なくとも躊躇したのでは?と。まあ、プロテスタントたることがあのストーリーの「言うまでもない前提」なのでしょうけど。

「不倫の中でもとりわけ不倫」と言えそうな不倫、そして教会で結婚式中の花嫁を〜。という「卒業」のような映画があり得たのは 既成秩序への異議申し立ての嵐が世界で吹き荒れた60年代後半だからこそとも言えるのではないでしょうか。

ちなみに、同じくアメリカンニューシネマ代表作の一つ「俺たちに明日はない」(1967年)を観て私は映画好きになりました。
俺たちに明日はない」とソックリなシーンが↓

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