ミヤシンの映画と読書とスポーツ+馬鹿話

子供の時からミヤシンと呼ばれている男です。本や映画やスポーツやニュース等の感想を短く書きます。2016年1月に始めました(2020年4月にブログタイトルを変更しました)。

365日24時間体制で自殺阻止

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和歌山県の白浜バプテスト教会牧師 藤䉤庸一氏は、「自殺の名所」とも言われる三段壁に「〜 重大な決断をするまえに 一度是非ご相談ください あなたのお力になります」という看板を立てて、1999年から自殺阻止の活動を続けている。自殺を志願した人を教会に仮住まいさせて、社会復帰までのサポートも行う。2019年公開のドキュメンタリー映画「牧師といのちの崖」を観て、2010年講談社発行の著書『「自殺志願者」でも立ち直れる』を読んだ。それは、一人の人間がこれ以上はでき得ないと言い切れるほどに無私にして利他的な活動である。頭が下がると何度言っても言い足りない。その上で、あくまでもその上で、あるいは語弊があるかもしれないが併せて感じたことを書きたい。

献身的な活動を長年続けている牧師と聞くと聖人を絵に描いたような人物かと思いきや、いい意味でとても人間くさい人だ。ときおり感情を露わにする。私が若い頃の上司の持論が「部下を怒ると叱るは違う」だった。「怒る」は感情の爆発なのに対して「叱る」は理性的という意味合い。その伝でいけば「元自殺志願者」のだらしない生活態度を見かねて激しい言葉をぶつける様は「怒る」に近く映る。

長年おおぜいと暮らしてきた上での見立てとはいえ「食べものの好き嫌いの多い人は、人の好き嫌いも激しい傾向があるように思います」といった、私たち凡俗が好んで話題にする血液型別性格のような言も、かえって近寄りがたくなく感じられてホッとする思い。一歩間違うと偏見につながりかねず、「聖人」なら決して口にしないだろう。

氏は新卒で就職した職場で朝寝坊して遅刻を繰り返したり同僚とうまく行かなかったりして、すぐ辞めてしまう。白浜の教会での務めを始めた頃ヤル気を失いかけパソコンゲームに現実逃避した日々も。
といった、およそ立派ならざる過去もカミングアウト。

アゲインストな状況の人々が氏に心を開くのは、等々↑であるからこそでもあろう。

自殺を阻止したが 社会復帰したのちに自殺してしまった人を映画と著書で一例づつ紹介。牧師は考えに考え抜きそして考え続ける。こんなふうに↓

聖書の教えはもちろんのこと自殺は正しくないに決まっているし、そもそも神様が許さない。神様の許しがなければ人は死ぬことはない。だから、自殺を止めたのは自分ではなく、神様が許さなかったのだ。だからだから、生きるのにどうしても耐えられず自ら命を落としえたのは神様がそれを許したということか? はたして??

東京基督教大学で先輩だった夫人の力が大きい。共通の志を持ち、具体的な活動にも携わり、牧師とは違う角度から意見を言う夫人の。