今年の大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した安田峰俊著『八九六四 「天安門」は再び起きるか』(2018年5月刊行)を読んだ。
メインタイトルの「八九六四」は軍が民衆を鎮圧した天安門事件の日付1989年6月4日の意。
サブタイトルの「『天安門事件』は〜」は①中国で大規模な反政府運動が再び起きることはあるか ②それに対する鎮圧は再びあるか、の二つの意味になる。
①について、直接間接さまざまな形で1989年天安門に関わった数十人(運動のリーダーだったウアルカイシ氏と王丹氏を含む)に安田氏は当時とその後についてインタビュー、各種ファクトも併せて考察した結果、少なくとも近い将来までの中国本土では起こりえないだろうと見る。民衆にその動機が希薄であり、当局の締め付けが徹底しているという両面からである。したがって②も起こらないことになる。
しかし香港特別行政区では?と思わせる現在の情勢。
香港で、①、そして②は?
それを考える上でも『八九六四』は大いに参考になる(香港の活動家5人にもインタビューしている)。
現下情勢について安田氏はツイッターで積極的に発言しているようである↓
安田峰俊| 新刊準備中 (@YSD0118)さんはTwitterを利用しています
『八九六四』にもその名が出てくる、中国反体制芸術家のドキュメンタリー映画↓