ミヤシンの映画と読書とスポーツ+馬鹿話

子供の時からミヤシンと呼ばれている男です。本や映画やスポーツやニュース等の感想を短く書きます。2016年1月に始めました(2020年4月にブログタイトルを変更しました)。

ほぼ野生通りに 働くハキリアリ

室内の画像のようです

 捕食戦略としてピクリとも動かないことで知られる鳥ハシビロコウがその「必要」がない上野動物園では動いているように、およそ動物園の生き物は野生とはまるっきり違います。

 ところが、多摩動物公園のハキリアリは野生と変わらず働いていました。
 ↑アクリルケースが4つ繋がっていて右からそれぞれ、木から葉を切る、巣まで運ぶ、その葉を巣で「農業」に使う、葉のカスを捨てる。
 たくさんのハキリアリが分業体制で働きに働いています。一番右のアクリルケースで切れ味鋭く葉を切る様子からカスを咥えて一番左のゴミ捨て場に運ぶ姿まで、4月18日午前9時40分ごろから一時間ほど観察しました。

 もちろん、天敵はいませんし「農業」に適した葉をあてがわれている等々野生と全く同じというわけではありません。


 バランス感覚を旨とするワタシは、小さーい生き物のあと陸上動物最大のアフリカゾウアジアゾウよりさらに大きい)。

ゾウ、アウトドアの画像のようです


↓ハキリアリの生態

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『立花隆 長崎を語る』

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 2011年と2015年に長崎で行われた立花隆氏の講演録に加えて、現長崎市長や 立花氏と仕事を共にしたメディア人らの氏にまつわる回想等が収められています。

 

 1940年に生まれた氏は2歳まで長崎市内に在住しました。原爆が投下されたのは、その3年後です。大学生のとき原水爆禁止運動に参加。20歳だった1960年には英国で開かれた国際青年核軍縮会議に出席し、被爆をテーマにした映画や写真を見せながらヨーロッパ数か国を回った、と語っています。

 氏の「原点」は「核兵器反対」だったのです。


 件の講演から一か所だけ引用します。周知の通り「頭の中がお花畑」などでは全くない、氏の言として。「誤解を恐れずにいえば、日本が唯一の被爆国であるということは国際的に大きな政治的パワーをもたらしました。核に関して日本の発言が無視されることはありません。他のどの国も、被爆体験を背景に語れないわけですから。その政治的パワーを捨ててまで、日本が核武装することに意味はありません」(本書69ページ)。

立花隆 長崎を語る』長崎文献社 2021年9月発行

 

本書は、今週きょうまで文春ギャラリー紀尾井町で開催されている「追悼 立花隆の書棚展」↓で購入しました。

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「勉強屋」なればこそ?故立花隆氏蔵書5万冊超を古書店に譲渡

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10万冊を超えるという書棚全景写真(「追悼 立花隆の書棚展」)*撮影OKでした

 有名人の蔵書をコレクションするというのではなく 得るところ大な本ばかりなので是非とも読んでほしい、といった意思でしょう。本の「力」を強調していた氏だからこそと言えそうですね。
 新刊本は神保町の東京堂書店が行きつけとのことでしたが、私が読んだ範囲では馴染みの古書店を氏は書いてはいませんでした。間違っても「立花隆所蔵本」で一儲けも二儲けもしてやろうではない、氏と信頼関係のある古本屋さんなのでしょう。

 「知の巨人」なる言いようを氏は苦々しく思っていたのでは? このニュースで、改めて私はそう感じました。およそ「知」に対して謙虚なうえに 人をカリスマ視したり神格化したりする危うさといったようなことを何度も指摘していた氏ならば。もしかして勉強屋と自称していたのもその含意が?

 

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氏の著書は100冊。持論「1冊書くには少なくとも100冊読まねばならない」を優にクリア。

 

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和えると混ぜるは違う

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「混ぜる」と「和える」は違う、和食では「混ぜる」はなくて全部「和える」、ある人が「ミックス」と「ハーモニー」と訳してくれた、と土井善晴氏。

料理研究家土井善晴氏と政治学中島岳志氏の共著「利他と料理」ミシマ社、2020年12月発行

中島岳志氏の大秀作ノンフィクション↓

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🐼双子赤ちゃんと🐘赤ちゃん

3月31日、上野動物園に行きました。

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木のテッペンに上っていたメス

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母親に付いて歩くオス

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メスが居る木に登りかけたオス

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メスとは別の木に登り始めるオス

 生後9か月、オスとメスの双子ジャイアントパンダ。観覧できる時間は屋外展示場周囲を移動しながらの僅か10分間程度でしたが、メスは木に登っていて時おり体勢を僅かずつ変え、オスは母パンダの後を付いて歩く→メスが居る木に登ろうとする→メスとは別の木に登る、といった色々な動きを見ることができました。
 オスはシャオシャオ、メスはレイレイと名づけられています。

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 生後1年5か月オスのアジアゾウへの母ゾウからの授乳を目撃。ごく短時間で離れたので「ちょっと吸ってみただけ」的かもしれませんが、その直後に母ゾウが軽く頭部を反らしたのでよく見えたその乳房がたしかに二つお椀型に膨らんでしました。
 動物園でゾウは何度も見たことがありますが、授乳もそのような乳房も見たのは初めてです。そもそもゾウの動物園での繁殖は極めて稀。アジアゾウの授乳期間は生後3~4年間とのことです。
 子ゾウはアルンと名づけられています。現在体重650キロ。

↓4年前、双子パンダの姉シャンシャンの生後9か月。写っている母親は同じシンシン。

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↓パンダのフX。

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↓ゾウの豪快水浴

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↓和歌山🐼生後8か月

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↓和歌山🐼生後10か月

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いきなり二つも!⚽️ワールドカップ組み分け

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 今までで一番クジ運悪いかも。過去は欧州の歴代優勝国と同組になったことがなかった(韓国は伊独仏西と同組になっている)。いきなり二つも!

 いやいや、このさい一つでも勝ってゼヒ歴史を作ってほしいな(韓国が前回ドイツを破ったように)。

↓2002日韓大会でわがナマ観戦が実現↓

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アカデミー賞「平手打ち」

 体罰(という名の暴力)絡みのニュースがあるたび、今だ日本社会で暴力に許容的な人が少なくないのに驚かされます。


 アカデミー賞授賞式における平手打ちの件。もちろん言葉の暴力は決して許されず、厳しく糾弾されるべきです。しかし、ステージに勝手に上がるというルール違反を犯した上での「気持ちもわかる」は言葉での抗議までであるべきでしょう。

 

 「暴力に訴える気持ちもわかる」は「戦争反対」とも整合しないのではないでしょうか。

↓↓↓ワタシ暴力だいっキライ

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川崎市 岡本太郎美術館

 開催中の常設展「岡本太郎と夜ー透明な混沌」を観に行きました。絵画10点ほど、造形数十点。一部例外以外、撮影OKでした。

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タイトルは「ノン」

 一瞬「あ、カネゴン!」と思い、二瞬目に「カネゴンとどちらかがどちらかのモチーフ?」と思いましたが、あとでネット検索してみたら両者は全く無関係のようです。

(参考)カネゴンはこちら↓

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タイトルは「流れる夢」

 岡本太郎の絵って派手な色を何色も使っているけど目に煩くはゼンゼンなくて落ち着いて見ていられる感。テーマは決して「落ち着いた」ものではないでしょうけど。

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椅子もいろいろたくさん作ったのですね

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聞いたことはありましたが、⚾近鉄バッファローズのデザインも手掛けたのですね

妻が去年行きましたが↓、私は初めてです。

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ガラパゴス化なる比喩は間違い 福岡伸一『生命海流 GALAPAGOS』

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 ハカセこと福岡伸一氏が202034日から8日までガラパゴス諸島を回りながら陸で海で考えた一冊です。

 

 各大陸が何億年も前から成立していたのと比べて、大小さまざま100上の島からなるガラパゴス諸島は数百万年前〜数十万年前の海底火山隆起による地球史的には極めて新しい環境。進化は始まったばかりであり、日本の携帯電話のように独自進化した結果として世界から取り残されたということを「ガラパゴス化」と言うのは正しくない、と著者は説きます。

 

 ガラパゴスゾウガメやウミイグアナやガラパゴスリクイグアナといった固有種を初めとする動植物の生態を文章とフォトグラファー阿部雄介氏のカラー写真でたっぷりと。

 

 諸島の地学的成り立ちおよび、大陸から1000キロも離れている上に長いあいだ溶岩に覆われているだけだった(そうした場所は現在もある)諸島にいかにして動植物が定着したのか・・・定説と推論を詳述。とりわけ陸上動物はどうやって? 「天然のいかだ仮説」が紹介されていますが、まだまだ謎です。

 

 そういった生物学者としての専門的観察・考察と共に、 「ひ弱なナチュラリスト」と自虐する(「トイレの苦労」等々でそれを痛感)観点を含めて地球における人間とは何か?に深く考えを巡らせます。ガラパゴス「発見」から領有や「利用」をめぐる欧米とエクアドルの史実、今回の船「マーベル号」のガラパゴス住民を含むエクアドル人スタッフたちへのハカセならではの温かい人間観察が、それに膨らみを加えています。

 

 200年近く前のダーウィンの航路をほぼ辿り、偉人の学説も批判を交えて辿りました。

 

福岡伸一著『生命海流 GALAPAGOS朝日出版社2021年発行

眼福! ワインドアップ!!只見高エース⚾️

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 ワタシ共おぢ世代にとってピッチャーと言えば! なるも今や絶滅危惧種のワインドアップ。きのう選抜高校野球第三試合、福島県只見高校のエースが「大きく振りかぶって」。
 ちなみに、リリーフした只見の2投手と完投勝利した大垣日大の投手はいずれも現代のデフォルト セットポジションでした。

↓昨日以外にここ何年かでワタシが見たのは引退試合の松坂だけ。

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相撲こそ世界文化遺産に!

白鵬への横綱推挙状(国技館相撲博物館にて)

 池田雅雄著『大相撲入門』(角川ソフィア文庫 2020年発行 を読んで、相撲こそ世界文化遺産に!と思いました。

 

 相撲は競技・文化・神事の面を併せ持ちますが、本書では競技面ばかりでなく文化・神事の二面についても詳述。

 そして三面とも長い歴史に裏打ちされています。史実として文献に初めて登場するのが西暦642年。いま行われている2022春場所の約1400年前です。それ以前の神話や伝説にも見ることができます。

 

 多岐にわたっている本書の中身から一つだけ紹介すると・・・

相撲場が現在の俵を埋め込んだ円形になるまで、俵でなく人間が隙間なく並ぶ、円ではなく四角、の時代もありました。それぞれ文献と絵画のエビデンスが残されています。

 

 本書のタイトルは「入門」ですが、「入口に入っただけ」の中身では決してありませんでした。いやいや、これでまだまだ入口なほど奥深いということでしょうか。

 

 横綱という地位・称号(と土俵入りで腰に巻いている「横綱」)について本書では1章が割かれています。その重厚な歴史を思うと、白鵬朝青龍の振る舞いに眉をひそめる向きがあるのも(賛否は別として)分かる気がしました。 

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まさに競技・神事・文化↓

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「情理を尽くす」とはまさにこのこと

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毎日新聞』2022年3月12日付朝刊

 旧優生保護法下で不妊手術を強制された被害者が国に損害賠償を求めた民事裁判の判決が東京高裁で一昨日あり、被害者が勝訴しました。
 要旨↑を読んで、情理を尽くした判決だと思います。
理:緻密な論理で、損害賠償請求権の消滅(2017年改正前民法724条)を認めず。
情:<高裁の所感>として被害者への深い思いやりと共に、「優生手術への憤りのあまり~判決では情緒的な表現を避けたが~」という書きようでむしろ著しい人権侵害への強い憤りを表していると思います。

「私の宿命」 311に取り組む白鵬

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毎日新聞』2022年3月12日付朝刊

相撲ぶりも人柄も毀誉褒貶がある69代横綱白鵬(現間垣親方)ですが、
私は
相撲には 誉褒>毀貶
人柄には 誉褒>>毀貶
です。

白鵬にとって「宿命」はキーワード↓

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丸山正樹著「デフ・ヴォイス」シリーズ新作

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 丸山正樹氏の小説「デフ・ヴォイス」シリーズ4作目『わたしのいないテーブルで』を読みました。2021年発行の長編です。

 タイトルは「ディナーテーブル症候群」を含意しています。「ろう者が聴者の家族の会話に十分参加できず、疎外感を覚えている状態」を指す学術用語とのこと。

 「あとがき」で著者は「当事者ではない自分がこんな物語を書いていいのだろうか」と自問、「読者の皆さんの支持さえあれば、また続きを書いてみたいという思いは残っている」と。支持します!!

 

3作目まで↓

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