タイトル通りの、(米国南部いなか町の町外れに立った)三枚の広告板。そこに書かれている文言が物語のキーになる。
社会的に「抹殺」されそうになるが「生き残り」、物理的に「葬られ」ても「復活」する、三枚の広告板・・・とても効いていた。舞台回しとして。あるいは象徴(何を?)でもあったか。
練りに練られた つくりだった。
野暮な分類を強引に行うとすれば本作は社会派の部類にも入るだろう。さらに強引に社会派の対極と位置付けられるであろうエンターテインメント たる要件が一瞬たりとも飽きさせないことだとすれば、本作はそれも完璧に充たしていた。だから 2時間が短かった。
印象的な映画を観ると、過去に出会った印象的な作品を思い出す。とてつもなく印象深い本作の場合
不死身の舞台回し のイメージから、手塚治虫の長大作漫画『火の鳥』(の 火の鳥)を
(キリスト教信仰に基づく)赦し から、数年前に公開された「あなたを抱きしめる日まで」を
米国南部のガチガチ「保守」気質から、半世紀前のいわゆるアメリカンニューシネマ「イージーライダー」を。
主人公はレイプ殺人被害者の母であることが本作の軸。暴力シーン少なからず、汚い言葉が飛び交うにもかかわらず
観終えた後味は むしろ良かった(「イージーライダー」と違って)。
2018年公開
作品賞は「シェイプ オブ ウオーター」だった。
昨年 作品賞↓