ミヤシンの映画と読書とスポーツ+馬鹿話

子供の時からミヤシンと呼ばれている男です。本や映画やスポーツやニュース等の感想を短く書きます。2016年1月に始めました(2020年4月にブログタイトルを変更しました)。

『沈黙』 小説と映画化

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江戸時代初期キリシタン禁制下の長崎を舞台にした遠藤周作の代表作。去年公開されたイタリア系スコラッシ監督による映画化は原作にきわめて「忠実」だが、大きな「違い」もあった。
キリシタンへの拷問や虐殺シーンが映像にすると文章で読むよりはるかに残虐に映る。目を背けたくなるほどに。
だから、なのだろう。小説では拷問や虐殺を目の当たりにするたび何度も何度も繰り返されるポルトガル人司祭の独白「神よ、なぜ あなたは沈黙なさるのか」が、2,3度ほどだけだった。シーンが残虐であるほど「神よ、なぜ〜」という思いが観る者の胸に湧き起こるから であろう。セリフにするまでもなく(「説明」は映像でするからこそ映画化の意味がある)。とりわけクリスチャンの胸には。我らが昔っからアッサリ口にする「神も仏もない」とは似て非なるものだろうが。
あ、最後の最後に「忠実」から逸脱するシーンがあった。「救い」を感じるあの展開、ワタシは好き。

この超シリアス映画に、司祭に告解をするキリシタン役で、片桐はいりが出演。「砂の器」でチョイ役的に渥美清が現れたとたんコミカル演技は何もしないのに館内大爆笑、ほどではないけど。

なお、言わずもがなですが
小説の映画化は「忠実」でも「独自の解釈」でもどちらが良い悪いはワタシありません。後者によって、似て非なる又は似ても似つかぬものになったとしても。

 

 

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