詩集『至高の妄想』(書肆山田 2019年12月発行)の作者は巻上公一氏。先月、佐々木幹郎氏と共に第1回大岡信賞を受賞しました。
巻上氏はヒカシューのリーダーにして、ボーカル。不可思議な楽器テルミンやトランペットも演奏します。
氏にとって初めての詩集に収められている作品のほとんどは、ヒカシューが奏でる楽曲の歌詞でもあります。
『至高の妄想』には、余人をもって代えがたい言語センスが溢れています。「夕方のイエス 朝方のノー」と題する一篇に散りばめられたフレーズ↓(作中のほんの一部です)を見てもらえれば、ナルホド!と思っていただけるのではないでしょうか。
足りないものが満ちてくる
欠けてるものが駆けてくる
咲かない花が華やいだ
浮かないことが水遊び
夕方のイエスがそこに立っている
朝方のノーに断りもなく