稲泉連著、2019年刊行。
日本人宇宙飛行士全員に、2017年10月から2019年8月にかけてインタビュー。
12人は1990年の秋山豊寛、日本人初になるはずがチャレンジャー号事故により延期された1992年の毛利衛を皮切りに、向井千秋、若田光一、土井隆雄、野口聡一、星出彰彦、山崎直子、古川聡、油井亀美也、大西卓哉、金井宣茂。
地球はどう見えたか?(感激したのは共通なるも、熱い感激から冷めた感激までの温度差を聞き出した)
無重力とはどういうものか? 地球に帰還して重力をどう感じたか?
人類が宇宙に行くことの目的、その先駆者たる意義をどう考えるか?
サイエンスの込み入った議論には踏み込まず、私たち一般読者が彼ら彼女らに聞きたいことが全250ページほどに不足なく網羅されている。それぞれに多忙な身である12人に長い時間は話を聞けなかったもようなのが些か惜しい。
女性飛行士二人のくだりを一つづつ紹介↓
向井さんの言「実感したのは、私たちが生きているのは宇宙のなかにある地球という一つの『重力文化圏』に過ぎないということでした」。
山崎さんは宇宙ステーションに交通安全のお守りを持参したが、クルーたちが一緒に地球を眺めていたときアメリカ人クルーが聖書の一節を読みながら祈りを捧げていた。