西岡省二著、2015年 小学館発行。
タイトルと装丁からは面白可笑しく かの国を揶揄した中身のように思えるかもしれませんが、さにあらず。金正日→金正恩両氏が統治のため(民衆のためではなく)音楽を活用してきた歴史を追った、真面目なルポルタージュです。
最近またまたキナくさい かの国をめぐる情勢について理解する一助としてお薦めします。
2011年12月、死去した父・正日氏を継いで正恩氏が最高権力者に就きました。正恩体制の最初期、著者たち北朝鮮ウオッチャーは「北朝鮮の刷新に意欲を見せる若い指導者であるかもしれない」との期待を抱きました。「その期待は願望にも似ていた」と。
2020年の今や「期待」も「願望」も萎んでしまったと言わざるをえないのでしょうか?
健康不安も指摘される正恩氏。装丁を見ると、表舞台に登場した当初は今よりずいぶんスマートだったのですね。