絵本『はじめての旅』(福音館書店 2013年発行)の作者は鉛筆画で知られる木下晋氏です。10Bから10Hまでの鉛筆で22段階の濃淡を使い分けて描かれたとのことです。
木下氏が「UNI」を使って描いているというわけではモチロンありませんが、三菱鉛筆「UNI」1ダースは義父母の遺品です。全く使われないまま残っていました。
三菱鉛筆(株)の公式サイトによると、「UNI」の新発売は1958年。普及していったのは、私が小学生だった1960年代だったと思います。
今から振り返ると、「UN I」によって高級鉛筆というジャンルが出来あがっていったのは高度経済成長の進行と軌を一にしていると言えるかもしれません。
1970年代になるとシャープペンシルがドンドン出回っていきます。鉛筆は削らなければならない、携行するには何本も持たなければならない(又は小刀か小さい鉛筆削りを持つ)、のと比べて「便利」です。これまた、効率がいっそう重んじられてきた時代とシンクロしていたようにも思えます。
そして、1980年代終わり頃からは現在に至るまで手書きすることそのものが加速度的に減っていきました。
私自身は高校生まで鉛筆→大学生~若手社員シャーペン→それ以降キーボード。これからはこの「UNI」で鉛筆に回帰してみようかな。もとより絵を描くことはでき得ませんけど。
『はじめての旅』は木下氏の実体験がベースになっています・