背表紙の惹句が <禁断の「皇室小説」!>。まさしくど真ん中の「皇室小説」である。日本国憲法第一条で定められた方の パートナーの方による一人称なのだから(パラレルワールドにおける、ではあるが)。「〜で定められた方の〜」と持って回った書き方をしたが、まさに憲法が本作のキーになっている。
名の知れた小説家による有数の出版社からの作でもあり、話題性最大級と思えるのだが、あんまり話題になっていないようなのはナゼだろうか。
令和の時代になって10年が経ったときのストーリー(パラレルワールドにおける)。エンタメ性も高く(という言い方は語弊があるかもしれないが)、一気に読ませる。
全編にわたって、日本のありように関する著者自身の問題意識が前面に押し出されている。それをありがちな陰謀論と考えるか、これこそ真実と考えるかは読んだ人それぞれだろう。
ゼロ年代に著者が著した『無限カノン』三部作の第四部でもあるとのこと。
これまでに読んだ本↓