馳星周『ソウルメイト』を読み終えました。
タイトルのソウルメイトー「心の友」いや「魂の伴」とでも言うべきかーとは犬と飼い主たる人間のこと。
チワワ、ボルゾイ、柴、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、ジャーマン・シェパード・ドッグ、ジャック・ラッセル・テリア、バーニーズ・マウンテン・ドッグがそれぞれ「主人公」の短編集です。
馳星周氏と言えばバイオレンス小説と私は認識していました。20年ほど前に読んだことがあり、一冊でいいやと思ったものです。
なのでハートウオーミングな犬モノという触れ込みの『少年と犬』で今年直木賞を受賞したとき、個人的にはとても驚きました。ところが、本書に収められた7編は2011〜2012年に小説誌で発表された作です。つまり犬モノは10年選手なのですね。不明を恥じる次第です。
7編どの作にも犬の素晴らしさ、犬と暮らす素晴らしさが溢れています。(『文藝春秋』10月号に氏が寄稿した一文によると)氏自身が長年多頭飼いしている、バーニーズ・マウンテン・ドッグが「主人公」の作に犬に寄せる氏の熱い思いがとりわけ感じられました。
私が唯一飼ったことがある犬ウェルシュ・コーギー・ペンブローク↓が「主人公」の作では、「やんちゃ」で知られるコーギーあるある!が随所に表されていました。