ミヤシンの映画と読書とスポーツ+馬鹿話

子供の時からミヤシンと呼ばれている男です。本や映画やスポーツやニュース等の感想を短く書きます。2016年1月に始めました(2020年4月にブログタイトルを変更しました)。

『ピュリツァー受賞写真全記録 第2版』

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 言わずと知れた報道写真最高峰の、1942-2015年の受賞作品が網羅されました。

 

 編著者のハル・ビュエル氏が作品各々に対して文章を書いています。撮影者がどのようにして決定的瞬間を収め得たかに加えて、そのシーンはどのようなニュースであったかが記されました。

 

 日本人カメラマンは3人。いずれも1960年代です。

 うち2点はベトナム戦争。その一つはあまりにも有名な、沢田教一氏による「爆撃からの逃走」(1966年)。戦火を逃れるため川を渡る母子を捉えた写真です。この4年後、氏はカンボジアで命を落としました。あと一つは酒井淑夫氏による「静かな雨、静かな時」(1968年)。

 もう1点は日本現代史最大(最悪)の政治テロ事件、浅沼稲次郎社会党委員長刺殺の瞬間(1961年)。『毎日新聞』の長尾靖カメラマンです。

 

 全作品に撮影データが付されていますが、1964年「ケネディ大統領暗殺犯」オズワルド射殺の瞬間を捉えた写真のデータに目が止まりました。使用カメラがニコン、われらが日本光学

 1964年と言えば敗戦の(僅か)19年後ですが、前の東京オリンピックが開かれた年でもあります。ちょうど世界が(欧米世界が)日本に注目し始めた頃とも言えるかもしれません。

 ニコンはその1964年に初登場してから、使用カメラとして前世紀中ざっと見で8割以上を占めていました。2002年の9.11からはしばらくキヤノンが続きます。

『ピュリツァー受賞写真全記録第2版』日経ナショナルジオグラフィック社2015年発行