著者は打者として三冠王3回、監督としてリーグ優勝4回。そんな⚾️戦士の休息は映画です。
少年時代から観てきた数々の映画作品を題材にした一冊。
ジェームズ・ボンドには「上背のある恰幅のいい男が適している」。「背中を少し丸めて銃を構えた時のシルエットが生える」から(165頁)。
モノクロの名作をカラーでリメイクするのは避けてほしいが、『ローマの休日』だけはカラーでも見てみたい(125頁)。
こうしたくだりだけでも氏の映画愛の深さが分かろうというもの。
読んでいて、「オレ流」のキモは自分の頭でトコトン考え抜くことにあるのがよく分かります。
映画評映画論に加えて歴史、戦争、現代社会、、、オノレのアタマ(だけ)で徹底的に考えて語る語る。
誰でもちょっとは(又はたくさん)借り物の思考があるものですが、それが見当たりません。
そして野球についても。バッティングの基本はセンター返しという「常識」をうのみにせずグラウンドの形を見ながら考えて納得した(17頁)等々。
実に痛快な一冊です。『戦士の休息』、岩波書店、2013年発行。