ミヤシンの映画と読書とスポーツ+馬鹿話

子供の時からミヤシンと呼ばれている男です。本や映画やスポーツやニュース等の感想を短く書きます。2016年1月に始めました(2020年4月にブログタイトルを変更しました)。

イシグロ

小説のクライマックス(カズオ・イシグロ)

小説のクライマックスとして 私が印象深いのは たとえば 村上春樹『1Q84』の オーウェル『1984年』と真逆的なラスト。(タイトルを見るだけでも ハルキが『1984年』を意識して書いたのは明らかと思います。併せ読みをお薦めします♬) そしてカズオ•イシグロ…

カズオ・イシグロ『わたしたちが孤児だったころ』

イシグロ小説は全般に、静かな展開ながらも コクがあるのにキレがある(©むかしのビールCM)描写でどんどんページが進みますが 本作は一転して活劇調。コクキレはそのままに。 クリストファーは探偵。幼いころ「拉致された」両親を救出しなければならない。…

カズオ・イシグロ『浮世の画家』

高名な画家(だった)「小野益次」の1948年からの2年間と戦前期の回想。その時代、多くの画家が描いたような絵を彼も描いた。がために画家「だった」状況になっている。彼を指弾する小説ではない(もちろん、擁護もしない)。そうで「ある」彼の心の揺れの…

カズオ・イシグロ『日の名残り』

執事スティーブンスは1956年7月、英国内で6日間の「旅」に出る。その行程中の出来事と ダーリントン卿に仕えていた1920〜30年代の回想が交互に、、、スキもムダもない構成。 「その時代の英国人執事」として想像できそうな?話ではありません(いや超想像通…

カズオ・イシグロ『充たされざる者』

小説を読みながら「早く先を知りたい けど いつまでも終わらなければいいのに」と思うコトありませんか。本作もまさにそうでした。 一作ごとにテイストが異なるイシグロ世界。このヒトこそ(「だけ」に非ず)小説家が天職じゃないかと思う。走攻守三拍子揃い…

『わたしを離さないで』ドラマ化(綾瀬はるか主演)

車中コマ切れ読みか 家で一気読みか、選択をチト間違えることがあります。本作は、「次は大手町 大手町です」にジャマされず 読み耽るべき小説でした。カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』ハヤカワepi文庫 2008年(原著は2005年)。 最初からテンポよい…