ミヤシンの映画と読書とスポーツ+馬鹿話

子供の時からミヤシンと呼ばれている男です。本や映画やスポーツやニュース等の感想を短く書きます。2016年1月に始めました(2020年4月にブログタイトルを変更しました)。

コロナ禍医師の短歌集 犬養楓『前線』

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「医療従事者が目の前の出来事に、どう向き合ってきたかをこの禍が過ぎ去ったあとにも残しておきたいと思い、歌を詠んだ」(あとがき)

歌人でもある 救命救急センターの若手医師が、一昨年末の感染拡大前夜から第三波ただ中の今年年明けまで、患者の死にも何度か直面した、コロナ禍の「前線」。

その日々に
西日を浴びたロッカーで思うこと(表紙写真は夜中に煌煌と明かりが灯るコロナ禍病院?)、
紅白歌合戦で紅が勝つ気がした訳、
自分の名字を 若さを 少しだけ憎く思ってしまったとき、
「やんわりとした距離を取られて」身をもって差別を感じた、
責任感と使命感は違う、
といった様々に揺れる心の裡を三十一文字の言葉に込めて真正面から詠んだ240首が収められています。書肆侃侃房、2021年2月発行。