ハタチ頃から30代まで(スポーツと僅かなお笑い番組を除いて)ほとんどテレビを見なかったワタシはちあきなおみと言えば「歌手一筋」だったとなんとなく思い込んでいましたが、ドラマでは主演、バラエティでのトークも絶品だったのですね。今更ながら本作を読んで知りました。
そのように押しも押されもしないスターだった29年前、最愛(という言葉では弱すぎるほど)の人の死に襲われます。まるで大賞曲「喝采」の歌詞のよう。しかし「喝采」のラスト「♪それでもわたしは今日も恋の歌うたってる」とは真逆で、今日まで引退状態を続けている「沈黙の理由」とは・・・
著者の古賀慎一郎氏はマネジャーとして至近にいた人物。新潮社、2020年発行。