タイトルのあんは餡です。
著者はテレビで何度か見たことがあり、まっすぐ そうな人だなという印象を持っていました。書いたものを読んだのは初めてです。
とても「気」のいい作品でした。
あるいは小説としての練度は高いとは言えないかもしれませんが、そないなことは些細な言いがかりにすぎないほどの後味の良さ、、、作中の徳江さんが「ある理由」で50年間つくり続けてきた餡のような。
後半部でキーの一つとなる 甘味を生かす塩の按配 も示唆的でした。
ポプラ社、2013年発行。
映画化も良かったですが
どら焼き店青年がちょいといい人すぎ。小説で書き込まれていた、黒や灰色の葛藤は薄くて。
徳江さん役の樹木希林は大好演なるも。