2021-04-27 船橋洋一『フクシマ戦記 10年後の「カウントダウン・メルトダウン」』 本 2011年3月の福島第一原発事故をめぐるドキュメント。2012年に著されて大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した『カウントダウン・メルトダウン』にその後の取材を加えて今年2月に文藝春秋社から発行されました。 新たに付けられた序章の見出しは「フクシマはなお、終わっていない」。まさに、今月になってからも処理水の件がクローズアップされました。 著者は元朝日新聞記者。私が他に読んだ単行本は北京特派員時代の経験から独裁体制における社会の実像に迫った『内部』だけですが、朝日を購読していた時には署名記事をしばしば読みました。 20年ほど前には氏の講演で「学があると教養があるは違う」と聞いて「私がふだん何となく思っていることが言語化された」と感じ入ったものです。 そんなこんなで、世評の通り当代最高級のジャーナリストと私も思っています。