ミヤシンの映画と読書とスポーツ+馬鹿話

子供の時からミヤシンと呼ばれている男です。本や映画やスポーツやニュース等の感想を短く書きます。2016年1月に始めました(2020年4月にブログタイトルを変更しました)。

山田五郎の初小説

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 テレビでよく見かける山田五郎氏による自伝的小説。幻冬舎、2020年発行。

 タイトルの「真夜中のカーボーイ」は、1960~70年代の映画界を席巻したアメリカンニューシネマ代表作の一つ。著者自身と思しき「俺」は高三の夏、大阪梅田の名画座で「俺たちに明日はない」との二本立てをガールフレンド「妙子」と観ました。

 小説は「真夜中の〜」のシーンを時おり挟みながら、その高三の夏とそして39年後の夏に深刻な事情ゆえ再会を求めてきた「妙子」との二度の和歌山行きがロードムービーさながらに綴られます。

 そういえば、著者と同年生まれ同学年のワタシも1975年高二のとき東京の名画座早稲田松竹」で「俺たちに〜」と (「真夜中の〜」に似た冴えない男二人のロードムービーである)「スケアクロウ」のアメリカンニューシネマ二本立てを観ました。

 コチトラは高校の同級生Kと野郎同士でしたが、彼が誘ってくれたおかげでインパクト最大級の「俺たちに〜」に度肝を抜かれ、「イージーライダー」「卒業」もちろん「真夜中の〜」等々アメリカンニューシネマを初めとして毎日曜に名画座通いをするようになったものです。

 高田馬場早稲田松竹、池袋の文芸坐とテアトルダイヤ、銀座の並木座飯田橋の佳作座とギンレイホール、新宿の名画座ミラノ、300~400円で二本立て。洋画も邦画も観ました。懐かしい限りです。

 本作では70年代の音楽シーンも回想されていますが、39年後に神田川を初めて見た「妙子」が「嘘ぉ、これが神田川 こんな用水路みたいな川やったん?」。これまたそういえば、大学の同級生で広島出身のMが「これが神田川??」とのけぞっていたのを思い出します(当時は水質も今よりもっと汚かった)。

 ワタシも「妙子」やMと同じように感じていましたが、今あらためて歌詞を見返すと「♪窓の下には神田川~」はショボい川だからこそという気もします。