涙腺を刺激するツボは人それぞれと思いますが
9話中5話で決壊しました。電車の中で^^;
連作短編集。
とっても感じのいい 表紙↑のような4人家族。
男の子の保育園卒園式から 「大きくな」ったとお母さんが実感した中学卒業式までの間、
大事件が起きるわけではない(と言っても退屈感なく 話がテンポよく転がっている) 4人それぞれと周囲の人たちにかかわる 日常の哀歓と心の揺れ。
人は誰でも ちょっとした誤解 ときとして偏見を持っているが、それは誤解(または偏見)に他ならないと人は誰でも薄々気づいていて、日常の出来事に正面から向き合えばソレを解消しうる
というメッセージが込められていると感じました。
朧に覚えている我が子どもの頃、それよりはハッキリ覚えている子育ての頃を 読んでいて「それって あるある!」と何度も思い出しました。それは、普遍性がある とも言えるのでしょう。
以前に私が持っていたのと同じ誤解(偏見)も出て来ました。
ステージに見立てた中央スペースを挟んで両脇、前列に園児 後列に親が座るが、親子が向かい合うように 子の正面後列に自分の親が座る
のが いまどきの保育園卒園式のようですね。
むかしはそないな工夫(または配慮)はなく、ムスコの背後に座りました(と記憶)。
集英社 2016年。
著者の『おれのおばさん』『牛を屠る』も良かった。