自殺する時がようやく来た。彼女はベロニカ、24歳。ベッドサイド・テーブルから睡眠薬を四包み取り出した。5分後には、包みは全て空になっていた。
目を開けた時、死んでいなかった。
精神科病院に入院していた。心臓が深刻なダメージを被っていて余命は長くて一週間と医師に告げられてからの、カウントダウンの日々、、、
哲学が融合した文学、とも言えそうな小説です。
旧ユーゴスラビアから分離独立したスロベニアでのストーリー。「一つの国家、二つの文字、三つの宗教、四つの言語、五つの民族」だったユーゴスラビアが四分五裂していく1990年代の政治・社会情勢を背景に。
パウロ・コエーリョ(江口研一訳)、新潮社2001年発行(原著は1998年)。著者はブラジル人。