ミヤシンの映画と読書とスポーツ+馬鹿話

子供の時からミヤシンと呼ばれている男です。本や映画やスポーツやニュース等の感想を短く書きます。2016年1月に始めました(2020年4月にブログタイトルを変更しました)。

国境なき医師団、いとうせいこう

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 前作では「あくまで作家のやり方で脱線や私的こだわりを」交えながら「俺」が見た2016~2017年の4か国での現地活動が綴られました↓

miyashinkun.hatenablog.com

 本作『「国境なき医師団」になろう!』は4か国に2018年の南スーダン活動を加えると共に東京の事務所での日本人スタッフたちへのインタビューを収めた、主語が「私」のルポルタージュです。 

 組織の名称は「医師団」ですが、全世界3800人の海外派遣スタッフのうち47%が水や衛生の専門家を初めとした非医療スタッフで、事務局スタッフが4000人とのこと。様々な職種の出身者が従事しています。それは、本作タイトル「『国境なき医師団』になろう!」の意味するところでもあります。数字はいずれも2018年実績。なお、この年の日本人海外派遣者は106人でした。

 そして「なろう!」には寄付が含まれることも、本作では強調されています。完全な中立性・独立性を確保するため活動資金の95%が民間、その多くを個人からの寄付で運営されています。

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 私は前作を読んで一昨年、僅かばかりの寄付をしました。「○人分のワクチン」といったモデル↑ではない額を送金したのですが、去年暮に新たな寄付を依頼する手紙が届き、前回への感謝の言葉と共に「宮X信X様の○円でワクチンを○人分用意できました」と記されていました。割り算をしただけなど言うなかれ。素晴らしい!とこちらこそ感謝して協力しました(いずれも極く少額ですが)。

 その一文「営業センスが高い」と評されるような!とも20年間ほど営業マンだった私は感じました・・・寄付に対する感謝を本作インタビューで心を込めて語る、活動資金を集める部署のスタッフは企業での営業経験があるとのこと。ナルホドと思った次第です。

 著者は、ウガンダ南スーダンではしかや破傷風のワクチン接種に居合わせました。