昔から和歌で詠まれてきた春霞ですが、その「正体」は黄砂のこともあったでありましょう。もしも古の歌人が黄砂のケースもあると知っていたら、↓といった趣の歌を詠んだでしょうか? と感じるのは、洗濯物外干しNG 車まっ黄っ黄にして健康被害に農作物被害を認識している現代人だからかな。あるいは、(そうした諸々の弊害は考えず)遥か西方の大砂漠から風に乗ってきていると思えば古の歌人は壮大な詩情を催したかもしれませんね。
春霞 たなびく山の 桜花 見れどもあかぬ 君にもあるかな
春霞 色のちぐさに 見えつるは たなびく山の 花のかげかも
春霞 たなびく山の 桜花 うつろはむとや 色かはりゆく
春霞 たてるやいづこ みよしのの 吉野の山に 雪はふりつつ
いずれも古今和歌集です。3首目までは桜が詠まれ、4首目は吉野山が詠まれています。