アップルの創業者ジョブズ(1955-2011)が時に哲学的な発言をしたことは知られています。それは彼が師事した禅僧及川弘文(1938-2002)の影響が大である、と本書は伝えます。ただ、著者は31人にインタビューしていますが、ジョブズと弘文の関わりについて証言しているのは10人ほどです。
あくまでも、主タイトルと副タイトルの位置付け通り、毀誉褒貶あった及川弘文の評伝です。興味深い人物像が多角的に掘り下げられています。仏の道を極めた生き様か、俗に惑った生活破綻者か。7年超に及ぶ取材の末に著者が辿り着いた結論は?
柳田由紀子著、集英社インターナショナル2020年発行。
柳田由紀子著、集英社インターナショナル2020年発行。