太平洋戦争終盤期の1944年6月〜7月、日本軍が支配していたサイパン島を米軍が奪還した「サイパン島の戦い」。米軍海兵隊の先発部隊が上陸した4日後に書籍を満載された船が到着し、その3日後には戦地図書館が建設されました。本書が伝える一例です。
原題は『When Books Went to War The Stories That Helped Us Win World War Ⅱ』(戦場に本が送られた 米国の第二次世界大戦勝利に貢献した史実)。
読み終えて、(当時の)彼我のあまりにも大きな違いを改めて痛感せざるを得ません。
戦闘によるストレスを和らげるためには娯楽や休息が不可欠であり、そのためには読書こそ!為政者も世論もそのように認識。一般国民からの寄付、出版社は「兵隊文庫」を刊行し、第二次世界大戦中、主に対ドイツ戦線へ1億4千万冊もの本が送られました。実際、兵士たちは本に支えられます。表紙写真のように。
それは、焚書や発禁によって一億冊以上を葬り去ったナチの「思想戦」に対するアンチテーゼでもありました。