前世紀、会社の朝礼のとき等で「3分間スピーチ」というのが流行りました。唯一つ今でも覚えているのは大学でワンゲル部だった3年後輩くんのスピーチ。「チームで活動するワンゲルでは各々が得意な事で貢献する。テントを張るのが得意な人、料理が上手い人、XXが得意な人、、、そして具体的な得意分野は何もないけどムードメーカーの人も絶対欠かせない」と。「具体的な〜」のくだりがとってもいいなあと感心しました。
大竹氏がフィールドにカナダを選んだのは、日本で絶滅したオオカミをこの目で見たかったから、と記されています。オオカミが群れのチームワークで生き抜くところも(ワンゲルと相通じるので)氏が魅かれた一因かもしれませんね。
しかしオオカミは人間の目が届く範囲にはなかなか姿を現さない動物。長年にわたって何度も滞在している氏も遠くから捉えるのみで「満足できるポートレートはまだ撮れていない」。
人間との好パートナーである犬の祖先なのに不思議な気もしますし、古の時代にオオカミの中でたまたま人懐こい個体が人と暮らすようになったのが始まりという説をナルホドとも思います。