『ノア動物千夜一夜物語』(新潮社1988年発行)
周知の通り藤原新也氏は20歳代後半から30歳代前半にかけて海外を放浪した。
インドで出会った動物たちを「主役」として30歳代終わりに書かれたのが本作。1983年に雑誌に連載された驢馬、犬、鯉、コブラ、海豚、牛(野良犬ならぬ野良牛)、孔雀をめぐる7編が収められている(猿をめぐるもう1編だけは出版に合わせた書き下ろし)。そして全編にわたって「準主役」は人間。
余人をもって代え難いリアリズムとロマンティシズムの併存いや融合と言うべきか・・・本作はこれぞ藤原新也!である。
可愛いカワイイだけではない動物好き(私もそのつもり)にとりわけお薦めです。
装丁の絵も藤原新也氏(氏は芸大油絵出身)。
↓去年、観ました。