ミヤシンの映画と読書とスポーツ+馬鹿話

子供の時からミヤシンと呼ばれている男です。本や映画やスポーツやニュース等の感想を短く書きます。2016年1月に始めました(2020年4月にブログタイトルを変更しました)。

『天皇メッセージ』

 

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深い闇を体験し、その中でもがき苦しんだものだけが、長い思索ののち、光のような言葉をつむぎ出すことができる。まさにこれまで、そういう人生を歩んでこられた方
と矢部宏治氏が本書で評する明仁上皇

皇太子時代と天皇時代の言の数々はそのときどきに報じられてはいるが、矢部氏がテーマ別に配列。あらためて、深く心に沁み入る言ばかりである。

その中で一つだけここで紹介するとしたら、「護衛艦は救助に向かわなかったのですか」を選びたい。太平洋戦争末期に撃沈された学童疎開対馬丸の記念館で説明を受けていたときの言。戦前のこととはいえ「天皇の軍隊」の行動ゆえ答えに困った説明役を慮って「みんな、ぎりぎりいっぱいだったんですね。本当にいたわしいことですね」とひとりごとのようにおっしゃったとのことである(本書40ページ)。

上皇后が皇太子妃のときの言も一つだけ
「だれもが弱い自分というものを恥ずかしく思いながら、それでも絶望しないで生きている。そうした姿をお互いに認めあいながら、なつかしみあい、励ましあっていくことができれば」(本書112ページ)

写真は須田慎太郎氏。2019年2月発行。

「I shall be Emperor.」は1949年、15歳の春に英語の授業で「将来、何になりたいか?」という課題に対する回答。

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