ミヤシンの映画と読書とスポーツ+馬鹿話

子供の時からミヤシンと呼ばれている男です。本や映画やスポーツやニュース等の感想を短く書きます。2016年1月に始めました(2020年4月にブログタイトルを変更しました)。

懐かしい!『泣いた赤鬼』(浜田廣介著)

あらためて青鬼の深慮にジーンとくるね。

先日、色彩の専門家から話を聞く機会があり
「この物語の赤鬼は赤でなければ、青鬼は青でなければならなかった」「色イメージとして、赤は情熱、青は冷静だから」と。
絵本でなくても(文字だけでも) 「赤」と「青」で 二人のキャラが分かる というワケですね。

47年前、学芸会の学年劇がコレでした。
今の子も読むのかなあ。

↓は、有限会社小さな出版社版 2000年発行。絵は狩野ふきこ。

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バニラエアの件 ご参考

障害者配慮に課題 車いす男性、自力でバニラ・エア搭乗:朝日新聞デジタル

この件について考えていくためにはやはり、昨年施行された障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)も見るべきだろうと思います。

法条文↓

障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 - 内閣府

内閣府の説明リーフレット

http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/sabekai/leaflet-p.pdf

法施行にあたって各省庁が所管事業向け対応指針を作定しており、国土交通省による指針↓の21ページに航空事業について載っている、とFacebookである方がご教示くださいました。

http://www.mlit.go.jp/common/001180785.pdf

 

映画「そこのみにて光輝く」

☆2014年キネマ旬報日本映画第一位「そこのみにて光輝く」☆2014年4月公開作

 何度あやまちを犯しても「光輝く」ことは必ずできる。たとえささやかな「光」でも、「輝く」自分を知るのは自分だけであっても。タイトルがふさわしい映画だった。

 山の採石場でリーダー格だった達夫。発破作業中に作業員を死なせてしまった後、函館でひとり「何もせず」暮らしている。日が高くなってなおパンツ一枚で寝ている冒頭、うつ伏せの全身が虚無感の塊り。「生きる屍」を綾野剛が好演した。

 パチンコ店で拓児(菅田将暉)と出会い、海岸のバラックに住む彼の姉・千夏と両親との4人家族とかかわりを持つようになる。4人それぞれに「生きる屍」だった。

 イカ工場で働き、風俗の仕事もする千夏。妻子ある造園会社の社長との関係を惰性で続けていた。

 傷害罪で仮釈放中の拓児が効いている。達夫とは似て非なる、だ。元同僚から「山でみんなが待っている」と言われる(採石への復帰を決意した後「仕事人」の表情を垣間見せる)達夫に対して、「能力」もヤル気もなくルックスは残念で腕っぷしも弱い。社長から「お前を必要とする人はどこにもいない」と決めつけられる。だが、草花の世話をするのが好きな気のいい(だけの)青年であった。上品ではないが汚くはない食べっぷりのよさが印象的。

 愛を誓い合ううつくしい一夜を共にした千夏を妻に、友情が芽生えた拓児を弟にし、二人のため自分のために拓児を連れて山に戻ることを決意。愛と友情で結ばれた三人が「光輝く」であろう矢先、姉のそして自分の尊厳を蹂躙した社長を拓児が刺してしまった。それでも、愛は友情は揺るがぬさまが描かれた三人はきっと「光輝く」に違いない。

 姉弟の父は脳梗塞のため寝たきり。後遺症により性欲が亢進する。現実の厳しい一面であるにしても、老親のあれこれに直面中の身として見るのが辛かった。作り手が高齢者の尊厳には無頓着とは思わないが。風俗のやり方で「処理」する千夏が父を殺そうとする行動につながるとはいえ、これでなければ描けなかったか。

 

映画「小さいおうち」

☆原作は直木賞☆2014年1月公開作

 タキの甥の息子。戦前は暗黒時代だったとの「知識」をタテに「おばあちゃん、嘘書いちゃダメだよ」と再三言う(当時の会社員中流家庭における「女中」も彼には理解の外)。

  「小さいおうち」の「女中」だったタキが自叙伝に綴っていたのは「本当」のことである。市井の人々の暮らしには戦前にだって喜び楽しみがあったと。

  だが最後に「嘘」を書く。正治の方から「おうち」に会いに来てほしい旨、手紙を書くよう「おくさま」に進言。その手紙を彼に届けなかったことを自叙伝でも伏せた。

  正治の出征前日だからこそ、「おくさま」が浮気を重ねていた彼の下宿に行かせるべきか行かせぬべきかの二択で悩んだ末に勧めた手紙だった、と綴る。

 はたしてどこからが「嘘」なのか。 タキ自身にとっての憧れの人との逢瀬の妨害の含みも? あるいはそれが最大の目的だった、がゆえに届けなかったか。そして憧れの人は正治なのか「おくさま」なのか。「嘘」に生涯苦しんだタキは、独身を通した。「本当」の気持ちは自分でもわからないのかもしれない。

  人々の哀歓。戦争という「変数」(為政者にとっては「定数」か)に曝されて「哀」ばかりがどんどん増えていく。取り返しがつかないほどに。「変数」が強大なだけに人間の奥深さ複雑さが一層浮き彫りにもなる。

  そうしたさまが見事に描かれている。そうであった原作に忠実に。出演者たちの好演もあり、映画表現ならではの味わいも加えて。

  「おうち」の日々に戦争の罪深さが静かに表れているので、最終盤の米倉斉加年反戦セリフはない方がよかったように思う。

  原作ではこのセリフは目立たない。声高に反戦を訴えるのではない全体と調和して収まっている。印象強い米倉の渋さゆえか、セリフそのものは感動的であるにせよ(だからこそ)かえって既視的な「反戦映画」色が濃くなってしまったのではないか。

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アイリッシュ『幻の女』書き出しの原文は

原著は1942年

 

 ミステリーにおける金字塔の一つ、ウィリアム・アイリッシュ著『幻の女』の

あまりにも有名な書き出し(稲葉明雄訳)。

「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」

 

  原文と照らし合わせてみようと思い立ってからン十年^^;

  やっとググりました。

 「The night was young, and so was he. But the night was sweet, and he was sour.」

 

  思っていたより直訳でした。もっと意訳調かと思っていたので。

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映画「ローマ法王になる日まで」

 ローマ法王に就任したホルヘ・マリオ・ベルゴリオ、20歳で聖職者たらんと決意してから76歳で迎えた2013年のコンクラーベ(法王選挙)までの物語。
 母国アルゼンチン、ブエノスアイレス管区長に就いた1970年代は軍事独裁下。政権と真正面から対峙した神父たちは拷問されたり殺害されたりした一方、イエズス会の重鎮は政権に融和的だった。その狭間で、政権のあり方を良しとしないベルゴリオはできる限りの尽力をしたが。
 救いを求めてきた人たち、救わなければならない人たちに十分には応え得なかった。学生時代に指導教官だった女性は反体制と見なされ惨殺される。無力感に打ちひしがれた。
 町なかの教会で出会った市井の女性から 本作のキーとなるある道しるべを得たドイツ留学を経て80年代、軍政は終わっていた。補佐司教に就いたブエノスアイレスで、貧困地区再開発のため住民たちが立ち退きを迫られる。強制排除は避けるべく、70年代のときより一歩踏み込んだ行動をするベルゴリオ。だが、やはり政治の方が一枚上手だった。排除のため集結する警官隊と、抵抗しようと構える住民たち。一触即発の状況で、ベルゴリオはミサを始める。しだいに住民たちは、そして警官たちもヘルメットを脱いで、聴き入る。
 立場は違えど信仰を同じくする者たちのこの美しいシーンが本作のクライマックス、と私は感じた(いずれ立ち退きそのものは行政の意図通りに進んだのかもしれないが)。以前に読んだあるエッセイの一文「他の動物と人間の最大の違いは信仰心」を思い出した(「信仰心」が悪行をもたらすこともあると言えようが。)
 母国で彼は、誰であれ人々の声を真摯に、彼自身のことであるかのように寄り添って聴き、現実を踏まえて理想を追求してきた。もちろんそれは、困難な道である。だから「失敗」もし、失意にも陥ったが、「無謬」ではなかったこともまた現法王の誇りなのではあるまいか。
 
 聖職者になりたてのとき日本へ布教に赴きたかった、とのこと。
 
↓信仰とは? 赦しとは?

映画「家族はつらいよ」

公開中の「家族はつらいよ2」、観に行こうかなあ。どうしよう。
というわけで、まずは先日テレビ放映されていた「家族はつらいよ」を見てみました。さすが笑いのツボを心得まくっておられるであろう山田洋次監督、大笑い5回 小笑い10回以上させてもらいました。でも、映画館まで出かけて行くほどではないかなあ。アラ(アラウンド)後期高齢者の主人公(話題の?橋爪功)の家族とのアレコレ話ですが、高齢化社会問題について何らかの示唆を得る、ということも特になく。

↓山田監督作品
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目からウロコ

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t大学食はどのメニューもとっても美味しいのですが、若者仕様だけに全般にこってり傾向。その中でイチバンあっさりしているのが意外にもカレー、、、あっ 高温多湿のインド! 元々あっさりした料理、かな。意外でもなんでもない?!